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高齢者がソファから立ち上がれないときの対策|座面の高さや手すりを見直して負担を減らそう!

住まい・安全
※イメージとして作成した画像です

高齢者がソファから立ち上がれない状態になると、「何度も反動をつけないと立てない」「家族が腕を引っ張らないと立ち上がれない」「一度座ると自分だけでは動けない」といった困りごとが起こります。

特に家庭用のソファは、座面が低いものやクッションが深く沈み込むものがあり、ダイニングチェアなどに比べて立ち上がるために大きな力が必要になる場合があります。

高齢者本人の脚力だけが原因とは限らず、座面の高さ、クッションの柔らかさ、座る位置、足を置く位置、肘掛けの形などが現在の身体状態に合わなくなっていることも珍しくありません。

そのため、「筋力が落ちたから仕方がない」と考えるのではなく、まず現在のソファからどのように立とうとしているのかを確認し、座面を見直したり安定した肘掛けや適切な手すりを利用したりして、少ない負担で立てる環境を作ることが大切です。

ここでは、高齢者がソファから立ち上がれないときに試したい対策をはじめ、立ち上がりやすいソファの条件、クッションを使う際の注意点、手すりなどの福祉用具、介助するときのポイント、急に立てなくなった場合に確認したい身体の変化まで詳しく紹介します。

高齢者がソファから立ち上がれないときの対策

高齢者がソファから立ち上がれないときは、本人の身体を家族が力任せに引き上げる前に、現在の座面や立ち上がり方を見直しましょう。

立ち上がりでは、足を適切な位置へ引き、上半身を前方へ移動させながらお尻を浮かせ、膝と股関節を伸ばして立位になるという一連の動きが必要です。

ソファが低い、身体が深く沈む、足を手前へ引けないといった条件が重なるほど立ち上がりにくくなるため、環境を変えるだけでも動作が楽になる場合があります。

座面が低すぎないか確認する

高齢者がソファから立ち上がれない場合に最初に確認したいのが、座面の高さです。低い場所へ座るほど膝や股関節が深く曲がり、そこから身体を持ち上げるために大きな力が必要になります。

以前は問題なく使用できていたソファでも、加齢や病気などによって脚力や関節の動きが変化すると、現在の身体状態には低すぎる家具になることがあります。特に座ったときに膝がお尻より大幅に高くなる場合や、立つたびに何度も勢いをつけている場合は高さを確認してみましょう。

  • 座面が低すぎないか
  • 膝が深く曲がっていないか
  • 足裏が床につくか
  • 座ると身体が沈まないか
  • 立つときに反動が必要か
  • 他の椅子なら立てるか

ダイニングチェアからは自力で立てるのにソファからだけ立てない場合は、身体機能だけでなく家具側の条件が影響している可能性があります。普段使っている複数の椅子から立ち上がってもらい、どの高さなら無理なく動けるかを比較すると判断しやすくなります。

ただし、単純に座面を高くすればよいわけではありません。高すぎて足裏が床につかなくなると座位が不安定になるため、本人の体格や足の長さを考慮して調整する必要があります。

沈み込みが大きいソファを見直す

座面の高さとともに重要なのがクッションの沈み込みです。見た目では十分な高さがあるソファでも、座った瞬間に身体が深く沈むタイプでは、実際の座面位置がかなり低くなる場合があります。

柔らかなソファはリラックスしやすい反面、立ち上がる際にはお尻が沈んだ位置から身体を持ち上げなければなりません。また、身体の周囲がクッションへ沈み込むことで、足を引いたり上半身を前へ移動したりする動作がしにくくなることもあります。

座面の状態立ち上がりへの影響確認点
硬め身体を押し上げやすい痛くないか
柔らかめ身体が沈みやすい沈み込み量
低い膝が深く曲がる座面高さ
奥行きが深い前方移動が増える座る位置
へたっている中央へ沈みやすいクッション状態

長期間使用してクッションがへたり、いつも座る場所だけ大きく沈んでいる場合もあります。その場合には、新品だったころには立てていた人でも徐々に立ち上がりにくくなることがあります。

本人が座った状態で実際にどの程度まで身体が沈んでいるのかを横から確認し、ソファ以外の硬めの椅子では立てるか比較してみましょう。沈み込みが原因なら、家具そのものを変更することも有効な選択肢です。

浅めに座って足を手前へ引く

ソファの奥深くへ座った状態から立とうとすると、お尻を前方へ移動させる距離が長くなります。高齢者では、この「座面の前方まで身体を移動する」という動作だけでも大きな負担になることがあります。

立ち上がる前には、可能な範囲でお尻を座面の前方へ移動し、両足を身体の近くへ引いて足裏を床へつけます。そのうえで上半身を前方へ移動させると、真上へ身体を持ち上げようとするより立ちやすくなる場合があります。

  • お尻を前へ移動する
  • 両足を床につける
  • 足を少し手前へ引く
  • 上半身を前へ移動する
  • 安定した支持物を使う
  • 立った直後に急いで歩かない

ただし、ソファの前方へ移動したことでお尻が滑り落ちそうになる人や、座位そのものが不安定な人には無理に行わせないでください。また、床が滑りやすいと足を踏ん張れず、立ち上がる瞬間に足が前へ滑ることがあります。

本人が一人で動作を練習することに不安がある場合は、理学療法士や作業療法士などへ普段の立ち上がり方を確認してもらい、安全な方法を教えてもらうとよいでしょう。

安定した肘掛けを利用する

脚の力だけでは立ち上がりにくい高齢者では、適切な位置にある肘掛けへ手を置き、腕でも身体を押し上げることで立ちやすくなる場合があります。そのため、ソファを選ぶ際には座面だけでなく肘掛けの形状も重要です。

肘掛けは、座った状態から自然に手を置くことができ、立ち上がる際に下方向へ力をかけてもぐらつかないものが適しています。柔らかなクッションだけで作られた肘掛けでは、力を入れたときに沈み込んで十分な支えにならない場合があります。

肘掛け特徴確認ポイント
硬く安定手で押しやすい高さが合うか
柔らかい腕は置きやすい沈み込まないか
低すぎる力を入れにくい前かがみにならないか
肘掛けなし横から移動しやすい立位の支持物がない

注意したいのは、近くにあるローテーブルや動く家具へ手をついて立とうとすることです。キャスター付きの家具や軽いテーブルは身体を支えた瞬間に動く可能性があり、転倒につながります。

本人がいつも何につかまって立っているかを観察し、不安定な家具を支えにしている場合には、肘掛けや専用の手すりなど安定した支持物へ変更しましょう。

据え置き型の手すりを検討する

ソファに十分な肘掛けがない場合や、肘掛けだけでは立ち上がれない場合には、立ち上がりを補助する据え置き型手すりを検討する方法があります。工事をせず床へ設置するタイプの福祉用具もあります。

介護保険における福祉用具貸与では、工事を伴わない一定の手すりが対象種目に含まれています。厚生労働省の取扱いでは、床へ置いて使用することなどにより、転倒予防や移動、移乗動作に役立てる手すりが示されています。

  • 立ち上がり時につかめる
  • 工事不要のタイプがある
  • 位置を調整できる製品がある
  • ソファ周辺へ設置できる場合がある
  • 身体状態に合わせて選ぶ
  • 設置スペースの確認が必要

ただし、手すりはどこへ置いても同じ効果が得られるわけではありません。本人が押して立つのか引いて立つのかによって握りやすい位置は異なり、ソファの形状や生活動線によっても適切な設置位置が変わります。

介護保険を利用している場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談し、実際の立ち上がり動作を確認したうえで適切な種類や高さを選んでもらうと安心です。

座面を高くする方法を検討する

現在のソファが少し低いことだけが問題であれば、座面の高さを調整することで立ちやすくなる場合があります。ただし、家庭にある柔らかなクッションを何枚も重ねればよいというわけではありません。

クッションを重ねると座った瞬間にずれたり、立ち上がるときに前方へ滑ったりすることがあります。特に高齢者が立ち上がるために身体を前へ移動させた際、座面が一緒に動くと姿勢を崩す可能性があります。

調整方法期待できること注意点
適切な座面調整立ち上がる距離を減らす安定性を確認
柔らかいクッション高さを足せる沈み込みやすい
クッションを重ねるさらに高くなるずれる可能性
家具を変更する条件を大きく変えられる本人に合う高さを選ぶ

また、座面だけを高くしすぎると、座ったときに足が床へ届かなくなることがあります。足裏が十分に接地しなければ立ち上がりのために力を伝えにくくなるため、高さと安定性の両方を見る必要があります。

市販の補助用品を使用する場合にも、ソファとの相性や使用者の身体状態を確認し、ずれたり沈み込んだりしないことを確かめてから使用しましょう。

立ち上がりやすい椅子へ変更する

対策を加えても現在のソファから立つことが難しい場合には、そのソファを使い続けることにこだわらず、本人が立ち上がりやすい椅子へ変更する方法があります。毎日何度も使用する家具だからこそ、身体状態に合うことが重要です。

一般的には、低すぎず、座っても深く沈み込まず、足裏を床へ置きやすく、身体を押し上げられる安定した肘掛けがある椅子が候補になります。奥行きが深すぎないことも立ち上がりやすさにつながります。

  • 座面が低すぎない
  • 深く沈み込まない
  • 足裏が床につく
  • 肘掛けが安定している
  • 奥行きが深すぎない
  • 椅子自体が動きにくい

店舗で椅子を選ぶ場合は、座った感触だけで決めず、座る、しばらく姿勢を保つ、立ち上がるという動作まで試すことが大切です。座り心地がよくても立ち上がれない家具では、本人の生活には適さない可能性があります。

立ち上がり能力に左右差がある人や、病気などによって身体状態が変化している人では、理学療法士や作業療法士などへ相談し、必要な座面高さや支持物について助言を受ける方法もあります。

電動昇降機能のある椅子も選択肢にする

脚や腕の力が低下し、座面や手すりを調整しても立ち上がることが難しい人では、座面が電動で持ち上がり、立位へ移行する動作を補助する椅子を検討する場合があります。

このような椅子は身体を前上方へ移動させることを補助できますが、立ち上がった後に立位を保持できるか、歩行器や杖などへ安全に持ち替えられるかまで確認することが重要です。

確認項目見るポイント理由
昇降動作速度や角度姿勢を保つため
操作ボタンのわかりやすさ本人が使うため
立位立った後の安定転倒を防ぐため
足元物がないか動作を妨げないため
動線杖等へ移れるか歩行につなげるため

電動で立たせてもらえるから安全と決めつけず、本人が機械の動きを理解できるか、途中で姿勢を崩さないかなども確認する必要があります。

身体機能が大きく低下している人では、購入前に専門職へ相談し、現在の状態に合う方法か確認するとよいでしょう。

ソファから立ち上がれない原因を確認しよう

高齢者がソファから立てなくなった原因は、単純な脚力低下だけではありません。座面の低さや柔らかさといった家具側の問題に加え、膝や股関節の痛み、バランス能力、身体の使い方など複数の要因が関係します。

原因を整理せずに「筋力をつければ大丈夫」と考えたり、逆にすぐ家具を買い替えたりすると、本当に困っている部分を解決できない可能性があります。

まずは他の椅子では立てるのか、手を使えば立てるのか、痛みがあるのかなどを確認し、どの段階で動作が止まるのかを見てみましょう。

脚の力が低下している

立ち上がりでは、膝や股関節を伸ばして身体を持ち上げる必要があります。脚の筋力が低下している高齢者では、低いソファから身体を持ち上げることが難しくなる場合があります。

以前は一度で立てていたのに、最近は何度も反動をつけるようになった、両手で強く押さなければ立てないといった変化があるなら、身体機能の変化にも目を向けましょう。

  • 何度も反動をつける
  • 両手で強く押す
  • 途中で座り直す
  • 低い場所だけ立てない
  • 階段もつらくなった
  • 歩く速度も遅くなった

ただし、本人へ自己流の筋力トレーニングを大量に行わせれば解決するとは限りません。膝や股関節に痛みがある人では、運動方法によって症状を悪化させる可能性もあります。

立ち上がりだけでなく歩行や階段など日常生活全体に変化が見られる場合は、医師や理学療法士などへ相談し、現在の身体状態に合う運動や生活方法を確認しましょう。

ソファの奥へ身体が沈んでいる

脚力そのものは保たれていても、柔らかなソファへ深く沈み込むことで立ち上がれなくなる人もいます。この場合、硬めで高さのある椅子なら比較的簡単に立てることがあります。

ソファの奥行きが深いと、背もたれへ寄りかかった状態から座面の前方までお尻を移動させる必要があり、その時点で疲れてしまうこともあります。

状態考えられる問題確認方法
ソファだけ立てない家具の条件別の椅子と比較
身体が深く沈む座面が柔らかい座った高さを見る
前へ移動できない奥行きが深い座る位置を確認
足が床につかない座面が高い足裏を確認
どの椅子でも立てない身体機能の影響専門職へ相談

このように、どの家具から立てるかを比較すると原因を絞り込みやすくなります。ソファだけが難しいなら、身体機能を責めるのではなく家具の変更も積極的に考えましょう。

反対に、ダイニングチェアやベッドなど十分な高さがある場所からも立ち上がれなくなっている場合は、身体機能の変化について確認する必要があります。

膝や股関節に痛みがある

膝や股関節などに痛みがある高齢者では、立ち上がる能力があっても痛みを避けるために十分な力を入れられない場合があります。特に低いソファでは関節を深く曲げるため、立ち始めの負担が大きくなります。

本人が「力が入らない」と表現していても、詳しく聞くと膝が痛くて力を入れられないということもあります。

  • 立つ瞬間に膝が痛い
  • 股関節が痛む
  • 片側へ体重をかけない
  • 歩き始めも痛い
  • 階段で痛みがある
  • 腫れが見られる

痛みがある状態で、家族が腕を引っ張って無理に立たせたり、何度も立ち座りを練習させたりするのは避けましょう。痛みの原因によって適切な対応は異なります。

痛みが強い、腫れている、転倒後から痛むなどの症状がある場合は、家具だけの問題として済ませず医療機関へ相談することを検討してください。

立ち上がりやすいソファや椅子の条件を確認しよう

高齢者向けにソファや椅子を選ぶときは、座り心地だけでなく「自分で安全に立ち上がれるか」という視点が重要です。

柔らかく身体を包み込むソファが快適に感じても、深く沈み込んで一人では立てなくなれば、トイレや食事のたびに家族の介助が必要になる可能性があります。

本人の体格や身体状態によって適切な条件は異なりますが、座面、奥行き、肘掛け、家具そのものの安定性を中心に確認しましょう。

足裏が床につく高さを確認する

立ち上がりやすさを考えると座面をある程度高くすることは有効ですが、高すぎると足裏が床へ十分につかなくなります。立ち上がるときには足から床へ力を伝えるため、接地できることが重要です。

椅子を試す際には、深く腰掛けた状態だけでなく、立ち上がるために座面の前方へ移動したときの足の位置も確認してください。

  • 足裏が床につく
  • 膝が深く曲がりすぎない
  • お尻が沈みすぎない
  • 前方へ移動できる
  • 立った直後も安定する
  • 本人が無理なく座れる

同じ身長でも脚の長さや関節の動きは異なるため、「高齢者用ならこの高さ」と一律に決めるのは適切ではありません。

家具を購入する際には、本人が普段履いている室内履きなども考慮し、実際に座って立つところまで確認してから決めると失敗を減らせます。

座面の硬さと奥行きを見る

立ち上がりを重視する場合、身体が深く沈み込むほど柔らかな座面より、適度に身体を支えられる硬さのある座面が使いやすい場合があります。

さらに、奥行きが深すぎるソファでは背もたれから立ち上がり位置まで移動する距離が長くなるため、座面の奥行きも確認しましょう。

項目確認したい状態避けたい状態
座面適度な硬さ深く沈む
高さ立ちやすい低すぎる
奥行き前へ移動しやすい深すぎる
肘掛け安定している力をかけると動く
本体ぐらつかない押すと動く

座面が硬ければよいというものでもなく、長時間座ることでお尻に痛みが出る人もいます。立ち上がりやすさだけでなく、座って過ごす時間や身体状態も考える必要があります。

長時間ソファで過ごす高齢者の場合は、座位姿勢や体圧などについて専門職へ相談し、本人に合った家具やクッションを検討する方法もあります。

肘掛けは押しやすさを確認する

肘掛け付きの椅子を選ぶ場合には、座った状態で自然に手を置ける位置にあり、立ち上がる際に下方向へ押せることを確認しましょう。

肘掛けが低すぎれば身体を深く前へ倒さなければならず、高すぎれば肩へ余計な力が入りやすくなります。

  • 自然に手を置ける
  • 手のひらで押せる
  • ぐらつかない
  • 柔らかすぎない
  • 握りやすい
  • 立位まで使える

また、手首や肩に痛みがある人では、腕へ大きな力をかける立ち上がり方が適さない場合もあります。本人がどの部位を使えば楽に立てるのかを確認してください。

椅子やソファを選ぶときは、家族が座り心地だけを確認するのではなく、実際に使用する本人が数回立ち座りして無理がないかを見ることが重要です。

家族が立ち上がりを介助するときも無理に引っ張らない

高齢者がソファから立てないと、家族が正面から両腕をつかみ、そのまま力任せに引き上げてしまうことがあります。

しかし、本人が自分で使える脚や腕の力を活用せず介助者だけで身体を持ち上げようとすると、本人の姿勢が不安定になるだけでなく、介助する家族の腰や肩にも大きな負担がかかります。

本人がどこまで自分で動けるかを確認し、安全な環境を整えたうえで不足する部分だけを補助することが大切です。

腕だけを強く引っ張らない

立てない高齢者の手首や腕をつかんで強く引き上げる方法は、本人の肩や腕へ負担をかける可能性があります。また、介助者が後ろへ身体を引いた瞬間に双方のバランスが崩れることもあります。

本人が自分でお尻を前へ移動できるなら、まず足を安定した位置へ置き、本人自身が立ち上がり動作を始められる環境を作ることが重要です。

  • 腕だけで引き上げない
  • 足の位置を確認する
  • 本人の動きを待つ
  • 滑る床を避ける
  • 不安定な家具を使わない
  • 無理なら専門職へ相談する

介助方法は本人の麻痺の有無、痛み、筋力、認知機能などによって変わるため、文章だけを参考に自己流で持ち上げることは避けましょう。

日常的に家族の介助が必要になっている場合には、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などへ実際の立ち上がりを見てもらい、本人と介助者の双方に負担が少ない方法を教わると安心です。

立った直後のふらつきにも注意する

ソファから立ち上がることだけに集中すると、立った直後の転倒を見落としやすくなります。高齢者によっては立ち上がれた直後にふらつき、そのまま歩き出そうとしてバランスを崩すことがあります。

特に長時間座った後や体調が優れないときには、立位になってから身体が安定するまで少し待つことも大切です。

場面確認すること対策
立つ前足の位置足裏を接地
立つ途中身体の傾き安定した支持物
立った直後ふらつきすぐ歩かない
歩き始め杖等の位置取りやすくする
移動経路障害物通路を整理

杖や歩行器を使用している人では、立ち上がった後に安全にそれらを使用できる配置になっているかも確認しましょう。ただし、杖だけを強く引っ張って立ち上がろうとする使い方は、杖が滑るなどして不安定になる場合があります。

立ち上がる、姿勢を安定させる、歩行補助具を使う、歩き始めるという流れを一つの動作として考えることが大切です。

毎回介助が必要なら環境を見直す

家族が毎回抱えるようにしなければソファから立てない状態が続いているなら、介助技術だけで対応し続けるのではなく、家具や福祉用具を含めた環境そのものを見直しましょう。

一日に何度も身体を持ち上げる介助は家族の腰への負担が大きく、介助者が体調を崩せば在宅生活そのものが難しくなる可能性があります。

  • ソファを変更する
  • 座面高さを見直す
  • 手すりを検討する
  • 生活動線を整理する
  • 専門職に動作を見てもらう
  • 介護サービスを相談する

本人が要支援・要介護認定を受けている場合には、担当のケアマネジャーへ「ソファから一人で立てない」と具体的に伝えてみましょう。福祉用具専門相談員などと連携して環境を確認してもらえる場合があります。

介助者が頑張って持ち上げ続けることを前提にせず、本人ができるだけ少ない介助で立てる環境へ変えることが、本人と家族の双方の負担軽減につながります。

手すりなどは介護保険を利用できる場合がある

ソファからの立ち上がりを補助するために福祉用具が必要な場合、要支援・要介護認定を受けている人では介護保険を利用できる可能性があります。

厚生労働省では、介護保険の福祉用具を、要介護者などの日常生活の便宜や機能訓練に役立ち、居宅で自立した日常生活を送ることを助けるものとして位置付けています。

福祉用具貸与の対象種目には手すりが含まれているため、自己判断で立ち上がり用品を購入する前にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談してみましょう。

工事不要の手すりを相談する

介護保険の福祉用具貸与で対象となる手すりには、取り付けに工事を伴わないものがあります。厚生労働省の取扱いでは、床へ置くことなどによって転倒予防や移動、移乗動作に役立てる目的のものが示されています。

ソファ周辺で利用できるかどうかは、製品の仕様、ソファの形、本人の立ち上がり方、部屋の広さなどによって異なります。

  • 据え置き型を検討する
  • 握る高さを確認する
  • 押す位置を確認する
  • 床面との相性を見る
  • 通路を塞がないようにする
  • 専門職に選定してもらう

手すりを設置したことで通路が狭くなり、歩行中に足を引っ掛けるようでは別の危険が生じます。立ち上がりだけでなく、ソファからトイレや寝室などへ移動するときの動線も確認する必要があります。

本人がどの方向へ力をかけるかによって適切な手すり位置も変わるため、福祉用具専門相談員などに実際の使用環境を見てもらうと選びやすくなります。

介護保険の利用条件を確認する

厚生労働省によると、介護保険の福祉用具貸与には手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえなどが対象種目として含まれています。

福祉用具の利用を希望する場合には、担当のケアマネジャーと福祉用具貸与事業者へ相談したうえで、利用する用具を決める流れが案内されています。

相談内容確認すること目的
身体状態どこまで立てるか必要な支援を判断
ソファ高さや形状原因を整理
手すり位置や高さ動作を補助
生活動線移動方向転倒を防ぐ
介護保険利用条件制度を確認

インターネットで見つけた立ち上がり用品を先に購入してから介護保険を利用しようとしても、希望する制度の対象にならないことがあります。

すでに介護サービスを利用している場合は、まず担当のケアマネジャーへ相談し、現在の身体状態に適した方法と制度利用の可否を確認しましょう。

身体状態に合わせて定期的に見直す

福祉用具は一度設置したら終わりではありません。高齢者の身体状態が変化すれば、以前は使いやすかった高さや位置が合わなくなることがあります。

厚生労働省が示す福祉用具選定の考え方でも、利用目的に適した種類や設置場所について、利用者の身体機能、住環境、動線などを踏まえて検討することが重要とされています。

  • 握る位置が合っているか
  • 立つ方向が変わっていないか
  • 痛みが増えていないか
  • ふらつきが増えていないか
  • 家具を変更していないか
  • 移動方法が変わっていないか

例えば、以前は手すりを軽く押せば立てた人でも、脚力が低下すると別の高さや形状が必要になる場合があります。逆にリハビリテーションなどで状態が改善し、以前ほど大きな支えが必要なくなることもあります。

使いにくくなった福祉用具をそのまま使用せず、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員などへ相談して適宜見直しましょう。

急にソファから立ち上がれなくなった場合は身体の変化も確認しよう

以前から少しずつ立ち上がりにくくなっている場合と、昨日までは普通に立てていた人が突然立てなくなった場合では、考え方が異なります。

急な変化があるときに「高齢だから筋力が落ちただけ」と決めつけて座面を高くするだけでは、病気やけがによる身体の変化を見逃す可能性があります。

立ち上がれないこと以外に、痛み、麻痺、発熱、息苦しさ、意識状態の変化などがないか確認し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

転倒後から立てない場合は注意する

高齢者が転倒した後からソファや椅子から立ち上がれなくなった場合には、単なる筋力低下と考えず、痛みやけがの有無を確認する必要があります。

特に股関節周辺や腰、膝などに痛みがあり、足へ体重をかけられない場合には、無理に歩かせたり何度も立たせたりしないようにしましょう。

  • 転倒後から立てない
  • 足へ体重をかけられない
  • 股関節周辺が痛い
  • 腰に強い痛みがある
  • 腫れや変形がある
  • 動かすと強く痛む

高齢者では転倒によって骨折などが生じていても、本人が状況をうまく説明できない場合があります。「立てない」という変化そのものを重要なサインとして扱うことが大切です。

強い痛みや明らかなけがが疑われる場合には、家族だけで無理に立たせず医療機関への相談を検討してください。

片側だけ力が入らない場合は注意する

急に立ち上がれなくなったうえ、片方の手足だけ動かしにくい、顔の片側が下がる、言葉が出にくいなどの症状がある場合には、脳卒中など緊急性のある病気の可能性も考える必要があります。

このような場合には「しばらく休めば立てるかもしれない」と何度も動作を試させるのではなく、速やかな医療対応を検討してください。

変化確認すること対応
片側の脱力手足の動き速やかに医療対応
言葉の異常話し方速やかに医療対応
顔の左右差表情速やかに医療対応
転倒後の痛み荷重できるか医療機関へ相談
徐々に立ちにくい生活全体の変化専門職へ相談

高齢者が立てない原因には家具や筋力などさまざまなものがありますが、突然の変化は慢性的な立ち上がりにくさと分けて考えることが重要です。

普段の状態を家族が把握しておけば、「いつもより明らかに違う」という変化にも気づきやすくなります。

徐々に立てなくなった場合も相談する

急激な変化ではなく、数か月かけて少しずつソファから立てなくなっている場合にも、「年齢だから」と放置せず生活全体の変化を確認しましょう。

外出が減った、歩く距離が短くなった、階段を避けるようになった、食事量が減ったなどの変化が同時に見られることがあります。

  • 歩く速度が遅くなった
  • 外出回数が減った
  • 階段を避けるようになった
  • 立ち座りに時間がかかる
  • 転びそうになることが増えた
  • 日常生活で介助が増えた

このような変化がある場合には、ソファだけを高くして終わりにせず、医師やリハビリテーション専門職、ケアマネジャーなどへ相談することも検討してください。

身体状態を確認したうえで、運動、家具の変更、福祉用具、介護サービスなどを組み合わせることで、本人ができる動作を維持しながら生活しやすい環境を作れる場合があります。

ソファの高さと立ち上がる環境を見直して負担を減らそう

高齢者がソファから立ち上がれないときは、「脚の筋力がなくなった」と決めつけるのではなく、まずソファの高さ、クッションの沈み込み、奥行き、肘掛け、足の位置などを確認しましょう。ダイニングチェアなど別の椅子からは自分で立てるのにソファだけ難しい場合には、現在の家具が身体状態に合わなくなっている可能性があります。

立ち上がりでは、座面の前方へお尻を移動し、足裏を床につけて足を適切な位置へ引き、上半身を前へ移動させてから身体を持ち上げます。低く柔らかなソファでは、この一連の動作が難しくなりやすいため、適度な高さと硬さのある座面や、安定して押せる肘掛けのある椅子へ変更することも選択肢です。

座面を高くしたい場合でも、家庭にある柔らかなクッションを何枚も重ねるだけの方法には注意してください。クッションがずれたり身体が沈んだりすると、立ち上がる瞬間に姿勢を崩す可能性があります。また、高くしすぎて足裏が床につかなくなることも避ける必要があります。高さだけでなく、本人が安定して座れて安全に立てることを基準に考えましょう。

ソファの肘掛けだけでは立てない場合には、据え置き型の手すりなどを検討できる場合があります。介護保険では一定の手すりが福祉用具貸与の対象となっているため、要支援・要介護認定を受けている人は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談してみましょう。手すりは高さや位置によって使いやすさが変わるため、本人の立ち上がり方を確認して選ぶことが重要です。

家族が介助するときも、本人の両腕をつかんで力任せに引き上げることを繰り返すのではなく、本人が使える力を生かせる環境を整えることが大切です。毎回家族が抱えなければ立てない状態なら、介助者の腰への負担も大きくなります。家具や福祉用具を見直し、必要に応じて理学療法士や作業療法士などに安全な立ち上がり方を確認してもらいましょう。

また、昨日まで立てていた人が突然立てなくなった場合や、転倒後から立てない、片側の手足に力が入らない、言葉が出にくい、強い痛みがあるといった場合には、ソファだけの問題と考えないことが重要です。急な身体の変化がある場合は速やかな医療対応を検討してください。徐々に立ちにくくなった場合も、ソファを変えるだけでなく生活全体の身体機能を確認し、本人が安全に立ち座りを続けられる環境を整えていきましょう。

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