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高齢者の一人暮らしでできる防犯対策|玄関・電話・訪問への備えを家族と整えよう!

介護する家族
※イメージとして作成した画像です

高齢者の一人暮らしでは、「知らない人が訪ねてきたらどうするのか」「夜に侵入されたら心配」「詐欺電話にだまされないだろうか」など、離れて暮らす家族にとって防犯面の不安が大きくなりやすいものです。

特に注意したいのは、空き巣のような留守中の侵入だけではありません。在宅している高齢者宅への訪問、宅配業者などを装った来訪、不審な電話、特殊詐欺、悪質な訪問販売など、玄関や電話をきっかけとして被害につながるケースも想定して対策する必要があります。

警察庁は住まいの防犯対策として、在宅時でも出入口や無人の部屋の窓を施錠すること、訪問者に対して不用意にドアを開けずドアスコープやインターフォン越しに確認することなどを呼びかけています。また、特殊詐欺については犯人からの電話に出ない環境づくりも重要で、防犯機能付き電話や非通知着信への対策なども選択肢になります。

ただし、高齢の親へ「知らない人を家に入れないで」「詐欺には気をつけて」と繰り返すだけでは十分な対策になりません。突然訪問されたときや電話でお金の話をされたときに、本人がその場で判断しなくても済む仕組みを作っておくことが重要です。

ここでは、高齢者の一人暮らしで取り入れたい防犯対策を、玄関、窓、電話、訪問販売、家族の見守りまで幅広く整理します。高価な防犯設備を一度にそろえるのではなく、本人が無理なく続けられる対策から優先して取り入れていきましょう。

高齢者の一人暮らしでできる防犯対策

高齢者の一人暮らしで防犯対策を考えるときは、玄関の鍵だけを強化するのではなく、「侵入させない」「知らない訪問者と直接会わない」「不審な電話に出ない」「その場で契約や送金を決めない」という複数の対策を組み合わせることが大切です。

本人がすべての犯罪手口を覚えて見破ることを目標にすると、新しい手口が登場するたびに対応が必要になります。それよりも、知らない相手から接触されたときの行動を単純なルールとして決めておくほうが実践しやすくなります。

家族が離れて暮らしている場合も、電話や訪問への対応方法を一緒に決め、必要に応じて防犯機器や見守りサービスを組み合わせると安心につながります。

在宅中でも玄関を施錠する

高齢者の一人暮らしで最初に確認したいのが、在宅中の玄関の施錠です。家にいるから大丈夫と考えて鍵を開けたままにする習慣がある場合には、防犯設備を追加する前に日常の施錠習慣を見直す必要があります。

警察庁の「住まいる防犯110番」でも、在宅時であっても出入口や無人の部屋の窓に鍵をかける習慣を付けることが防犯対策として挙げられています。短時間のゴミ出しや庭仕事などでも、玄関から離れるなら施錠する習慣を作りましょう。

  • 在宅中も玄関を施錠する
  • 勝手口も確認する
  • ゴミ出しでも鍵をかける
  • 就寝前に戸締まりする
  • 窓の施錠も確認する
  • 合鍵の管理を見直す

ただし、鍵を増やしすぎて本人が開閉できなくなると、日常生活の負担になります。手指の力が弱い人や細かな操作が苦手な人では、本人が無理なく操作できることも重要です。

家族が帰省した際には「鍵をかけている?」と聞くだけではなく、実際に玄関や勝手口、よく開ける窓などを一緒に確認し、施錠し忘れが起こりやすい場所を把握すると具体的な対策を立てやすくなります。

訪問者にはすぐドアを開けない

インターホンが鳴ると反射的に玄関まで行き、相手を確認する前にドアを開けてしまう高齢者もいます。しかし、一人暮らしの場合には訪問者が誰なのか確認できるまでは玄関を開けないことが基本です。

警察庁も、訪問者に対して不用意にドアを開ける前に、ドアスコープやインターフォン越しなどで相手を確認するよう呼びかけています。訪問者が制服を着ていたり業者名を名乗ったりしていても、それだけで信用する必要はありません。

訪問者その場での対応確認方法
知らない業者開けない家族へ相談
点検業者すぐ入れない依頼先を確認
宅配便相手を確認予定や荷物を確認
公的機関を名乗る人即断しない公式窓口へ確認
訪問販売玄関を開けない必要なら家族へ相談

「せっかく来てもらったから申し訳ない」と考えて玄関を開けてしまう人には、断ることは失礼ではないと家族から伝えておくことも大切です。「家族に確認しないと対応できません」と決めておけば、本人が理由を考えて断る負担も減らせます。

訪問者へ直接対応する必要性を減らすため、録画できるインターホンや宅配ボックスなどを利用する方法もあります。本人が複雑な操作を苦手としている場合は、設置後に家族と一緒に使い方を練習しましょう。

録画できるインターホンを検討する

玄関に音声だけのインターホンしかない場合には、訪問者の姿を室内から確認できるカメラ付きインターホンを検討する方法があります。録画機能があれば、不在中に誰が来たのかを後から確認できる製品もあります。

一人暮らしの高齢者にとって重要なのは、高機能であることより本人が簡単に使えることです。画面が小さい、ボタンが多い、操作手順が複雑といった製品では、せっかく設置しても訪問時に直接玄関へ行ってしまう可能性があります。

  • 画面が見やすい
  • 通話ボタンがわかりやすい
  • 録画機能がある
  • 音量を調整できる
  • 夜間でも確認しやすい
  • 本人が一人で操作できる

耳が聞こえにくい人では呼び出し音の大きさも確認し、視力が低下している人では画面サイズや表示の見やすさも考慮しましょう。本人の身体状態に合わない機器では、操作そのものがストレスになります。

インターホンを設置した後は「画面で確認してから応答し、知らない人ならドアを開けない」という行動までセットで練習しておくことが大切です。機器だけでなく使い方のルールを決めることで防犯対策として機能しやすくなります。

窓の施錠を習慣にする

玄関の施錠には気を付けていても、換気のために開けた窓をそのままにしてしまうことがあります。警察庁は在宅中であっても無人の部屋の窓へ鍵をかける習慣を付けるよう案内しており、玄関と同様に窓も確認することが重要です。

特に普段使っていない部屋や、人目につきにくい場所の窓は本人が開けたことを忘れる可能性があります。高齢者本人に毎回家中を歩いて確認してもらうのが負担なら、普段開ける窓を限定する方法も考えられます。

場所確認ポイント対策
居間換気後の施錠閉め忘れ確認
寝室就寝前毎晩確認
浴室換気後閉め忘れ注意
トイレ小窓施錠を確認
勝手口出入り後必ず施錠

補助錠や防犯フィルムなどを検討する場合には、窓の構造や製品の取り付け条件を確認しましょう。防犯用品を追加するだけで安心せず、まず既存の鍵を確実に使うことが基本になります。

家族が訪問したときには、本人が日常的にどの窓を開けているかを確認し、「ここだけは夜に必ず確認する」という場所を絞っておくと習慣化しやすくなります。

知らない電話に出ない環境を作る

高齢者の防犯では、玄関だけでなく固定電話の対策も重要です。警察庁の特殊詐欺対策では、犯人からの電話に出ない環境づくりが重要とされ、防犯機能付き電話の導入が紹介されています。

防犯機能付き電話には、着信音が鳴る前に相手へ録音する旨のメッセージを流す機能、通話を自動録音する機能、非通知電話を拒否する機能、未登録番号からの着信時に注意を促す機能などを備えた製品があります。

  • 警告メッセージを流す
  • 通話を自動録音する
  • 非通知着信を拒否する
  • 未登録番号へ注意を促す
  • 家族の番号を登録する
  • 留守番電話を活用する

大切なのは、高齢者本人に詐欺電話を完璧に見破ってもらうことではありません。知らない番号からの電話にはすぐ出ず、必要な相手なら留守番電話へメッセージを残してもらう運用にすると、犯人と直接話す機会を減らせます。

家族やかかりつけの医療機関、介護事業所など必要な連絡先を登録しておけば、知っている相手と知らない相手を区別しやすくなります。電話機を変更する場合は、本人が普段どおり電話をかけられるかも確認しましょう。

お金の話は一人で決めない

一人暮らしの高齢者へ電話や訪問でお金の話が出た場合には、その場で判断しないという家族共通のルールを作っておくと防犯につながります。

警察庁は還付金詐欺について、ATMでお金が返ってくることはないと注意を呼びかけています。また、警察官や公的機関などを名乗る相手から連絡が来た場合も、相手が教えた番号ではなく、自分で確認した公式の連絡先へかけ直すことが重要です。

話題その場でしないこと先にすること
還付金ATMへ行かない家族へ相談
カード渡さない金融機関等へ確認
暗証番号教えない電話を切る
修理契約即決しない家族へ相談
送金依頼振り込まない本人へ確認

「怪しいかどうかを自分で判断してから相談する」というルールでは、巧妙な話を信じてしまったときに相談が遅れます。「お金の話が出たら内容に関係なく家族へ連絡する」と単純化したほうが実践しやすいでしょう。

冷蔵庫や電話機の横など目につく場所へ家族の連絡先を書いておき、電話を受けながらその場で送金や契約を決めない環境を作ることがポイントです。

宅配便は直接受け取らない方法も考える

インターネット通販などを利用している高齢者では宅配便の訪問が多くなり、インターホンが鳴るたびに玄関を開けることが習慣になっている場合があります。

警察庁は住まいの防犯対策として、宅配業者の訪問を偽装した手口への備えとして、宅配ボックスを活用するなど荷物を直接受け取らない方法も挙げています。

  • 宅配ボックスを利用する
  • 配達予定を確認する
  • インターホン越しに対応する
  • 予定外ならすぐ開けない
  • 置き配を利用できるか確認する
  • 家族が注文内容を共有する

ただし、本人が宅配ボックスから重い荷物を取り出せない場合や、暗証番号などの操作が難しい場合には別の負担が生じます。防犯だけでなく身体状態や生活スタイルも考慮して選ぶ必要があります。

家族がネット通販を代わりに注文しているなら、配送予定日や荷物の内容を本人へ事前に伝えることで、予定外の訪問者と区別しやすくなります。

家族と連絡するルールを決める

一人暮らしの防犯で大きな支えになるのが、本人が迷ったときに相談できる相手を明確にしておくことです。警察庁も特殊詐欺の被害防止では、少しでも不審に感じた際に家族へ確認や相談をしやすくするため、普段から家族間でコミュニケーションを取ることが重要としています。

毎日何度も連絡する必要はありませんが、「知らない訪問者が来た」「お金の電話があった」「カードの話をされた」「家の修理を勧められた」といった場合に誰へ電話するかを決めておきましょう。

状況行動相談先
不審な電話一度切る家族・警察相談
訪問販売即決しない家族・消費生活相談
不審者ドアを開けない警察
契約トラブル書類を保管消費生活相談
送金の依頼送金しない家族へ確認

相談先の電話番号を小さな文字で一覧にすると、高齢者本人が必要なときに読めないことがあります。大きな文字で「困ったらまずここ」と一つか二つの連絡先を目立つ場所へ表示すると使いやすくなります。

家族側も「そんな電話にだまされるわけがない」と考えず、本人から相談があったときに責めずに確認できる関係を作っておくことが重要です。

玄関と窓の防犯を見直そう

一人暮らしの高齢者宅では、玄関や窓といった住宅への入口を確認することが基本です。鍵を増やすことだけが対策ではなく、本人が毎日確実に施錠できるか、訪問者を室内から確認できるかという使い方まで考える必要があります。

高齢者本人が操作できない複雑な防犯設備を導入すると、施錠が面倒になったり、家から出るときに困ったりする可能性があります。

防犯性と使いやすさを両立させるため、現在の生活動線を確認しながら必要な場所から改善しましょう。

玄関は複数のポイントを確認する

玄関では鍵そのものだけでなく、訪問者の確認方法、ドアを開ける習慣、合鍵の保管なども含めて見直します。本人が玄関の鍵をかけたつもりでも最後まで回せていない場合などもあるため、実際の操作を確認することが大切です。

また、郵便受けなどから一人暮らしであることが外部へわかりやすくなっていないかも確認するとよいでしょう。

  • 玄関の施錠
  • 補助錠の必要性
  • インターホン
  • ドアスコープ
  • 合鍵の保管
  • 郵便物の管理

防犯用品を追加するときは、本人が外出や帰宅のたびに無理なく操作できるものを選びましょう。特に手指に痛みがある人では、小さなつまみや硬い鍵が負担になる場合があります。

本人が使いにくいために鍵をかけなくなってしまえば逆効果なので、家族が実際の開閉動作を確認することが重要です。

窓は場所ごとに危険を確認する

窓の防犯では、すべての窓を同じように考えるのではなく、普段開閉する窓、人目につきにくい窓、本人が施錠を忘れやすい窓などを確認します。

補助錠や防犯フィルムなどの対策を取り入れる場合にも、製品ごとの用途や設置条件を確認することが必要です。

確認項目見るポイント対応
施錠閉め忘れ習慣化する
補助錠本人が使えるか操作を確認
窓周辺死角環境を整理
換気開けっぱなし閉める時間を決める
就寝前無人の部屋まとめて確認

本人が毎晩家中の窓を確認するのが難しい場合は、家族が訪問した際に使用頻度の低い窓を整理し、日常的に開ける場所を少なくする方法もあります。

高齢者の防犯では設備を増やすだけでなく、毎日続けられる簡単な行動へ落とし込むことが大切です。

夜間の外回りも確認する

夜になると玄関周辺が真っ暗になる住宅では、訪問者の顔を確認しにくくなります。また、高齢者本人が帰宅した際にも鍵穴や足元を確認しづらくなることがあります。

玄関灯やセンサーライトなどを利用する場合には、防犯だけでなく本人が夜間に安全に移動できる明るさも考えましょう。

  • 玄関周辺の明るさ
  • 門から玄関までの動線
  • 死角になる場所
  • 植木の状態
  • 物置周辺
  • 勝手口の明るさ

ただし、配線式の照明を追加したことでコードが通路を横切るなど、新たな転倒要因を作らないよう注意が必要です。

防犯対策と高齢者の転倒防止を別々に考えず、夜間でも安全に出入りでき、訪問者を確認しやすい環境を目指しましょう。

電話や訪問による詐欺を防ごう

一人暮らしの高齢者では、住居への侵入だけでなく、電話や訪問をきっかけとする特殊詐欺や消費者トラブルへの備えも欠かせません。

2025年の警察庁の公表では、特殊詐欺にSNS型投資・ロマンス詐欺を含めた認知件数は4万3,000件、被害額は約3,257億円に達しており、電話だけでなくSNSなどを介した被害にも注意が必要な状況です。

本人の注意力だけに頼らず、不審な相手と接触しにくくし、お金や契約の話が出たら家族など第三者へ相談する仕組みを作りましょう。

固定電話の設定を見直す

自宅の固定電話を長年同じ設定で使用している場合には、防犯機能を見直す価値があります。警察庁は特殊詐欺対策として、防犯機能付き電話の導入を案内しています。

着信前の警告や自動録音などがあれば、不審な相手との接触を減らしたり、通話内容を後から家族と確認したりできます。

  • 留守番電話を活用する
  • 自動録音を利用する
  • 非通知を拒否する
  • 未登録番号へ注意する
  • 家族を電話帳へ登録する
  • 国際電話への対策を確認する

電話機を買い替えなくても利用できるサービスや機器があるため、現在の電話環境を確認してから選びましょう。自治体によっては防犯機能付き電話などへの支援を実施している場合があります。

本人が新しい電話機の操作に戸惑う場合には、よく使う機能だけを家族と一緒に練習し、操作方法を大きな文字で電話の近くへ置いておくと使いやすくなります。

公的機関を名乗っても電話を切って確認する

相手が警察や役所などを名乗ると、高齢者が信用して話を聞いてしまうことがあります。しかし、肩書だけで本物だと判断するのは避けましょう。

消費者庁は2026年1月にも、消費者庁職員を名乗る人物から個人情報を求める不審電話が複数報告されているとして注意を呼びかけ、消費者庁が電話で個人情報の提供を求めることはないと案内しています。

相手の話対応確認方法
警察を名乗る一度切る警察署へ確認
役所を名乗る即答しない自治体へ確認
金融機関を名乗る暗証番号を言わない公式窓口へ確認
家族を名乗る送金しない普段の番号へ電話
業者を名乗る契約しない家族へ相談

相手から教えられた電話番号へそのまま折り返すのではなく、自分で調べた公式の電話番号を使うことが重要です。

高齢者本人には「相手が誰を名乗っても、お金や個人情報の話が出たら一度電話を切る」と覚えてもらうと対応を単純化できます。

訪問販売は玄関先で決めない

一人暮らしの高齢者宅では、住宅修理やさまざまな商品・サービスの勧誘が訪問によって行われることがあります。

消費者庁の資料でも、認知症等の高齢者では訪問販売や電話勧誘販売による被害に遭いやすく、勧められるまま契約してしまうケースが示されています。

  • その場で契約しない
  • 玄関へ入れない
  • 現金を渡さない
  • 通帳を見せない
  • 個人情報を伝えない
  • 家族へ先に相談する

屋根や床下など、本人が自分では確認しにくい場所の不具合を突然指摘された場合にも、その場で修理を依頼せず、家族や普段利用している業者などへ相談しましょう。

契約してしまった後でも対応できる場合があるため、困ったときは消費者ホットライン188などへ相談することが大切です。

離れて暮らす家族も防犯を支えよう

高齢者の一人暮らしを安全に続けるには、本人だけへ防犯対策を任せるのではなく、離れて暮らす家族や地域とのつながりを活用することが重要です。

消費者庁も、高齢者などの消費者被害を防ぐには、それぞれの状況に応じた身近な地域での見守りが重要だとしています。

本人の生活を過度に監視するのではなく、不審な出来事が起きたときに相談しやすく、家族が変化へ気づきやすい仕組みを作ることを意識しましょう。

定期的に連絡する

定期的な電話やメッセージは安否確認だけでなく、防犯上の変化を把握する機会にもなります。「変わったことはない?」だけではなく、最近知らない電話や訪問がなかったか具体的に聞くと状況を確認しやすくなります。

本人が不審な出来事だと認識していなければ、自分から家族へ報告しないこともあります。

  • 知らない電話がなかったか
  • 訪問販売が来なかったか
  • 修理を勧められていないか
  • 新しい契約をしていないか
  • 不審な郵便物がないか
  • 困っていることがないか

連絡頻度は本人の生活や家族関係に合わせて決めましょう。毎日連絡することが負担なら、曜日や時間帯を決めて定期的に話す方法もあります。

防犯の話だけを毎回すると本人が監視されているように感じる場合もあるため、普段の会話の中で自然に確認できる関係を保つことが大切です。

防犯機器は本人が使えるものを選ぶ

離れて暮らす家族が安心するために高性能なカメラやセンサーを設置したくなることがありますが、本人が使えない機器を増やすだけでは生活上の負担になる可能性があります。

本人が何を苦手としているかを確認し、玄関対応が不安ならカメラ付きインターホン、電話が心配なら防犯機能付き電話というように目的から選びましょう。

心配対策例確認点
訪問者カメラ付きインターホン本人が操作できるか
詐欺電話防犯機能付き電話通常通話ができるか
玄関補助錠等本人が開閉できるか
宅配宅配ボックス荷物を取り出せるか
見守りセンサー等本人の同意を得る

カメラや見守り機器を利用する場合には、本人へ目的を説明し、どの情報を誰が確認するのかを話し合っておくことも大切です。

防犯対策は家族の安心だけを目的にせず、高齢者本人が一人暮らしを続けやすくするための環境づくりとして考えましょう。

相談先をわかりやすくしておく

不審な電話や訪問があったときに、高齢者本人がどこへ相談すればよいかわからないと、一人で判断してしまう可能性があります。

警察庁の特殊詐欺対策では警察相談専用電話の#9110、消費者庁では消費者ホットライン188が案内されています。

  • 緊急時は110
  • 警察への相談は#9110
  • 消費者トラブルは188
  • 家族の連絡先を表示する
  • ケアマネジャー等も確認する
  • 地域の相談先を確認する

電話番号を一覧にする場合には、用途も大きな文字で書いておきましょう。「迷ったら長男」「契約で困ったら188」など、本人が見てすぐ行動できる形にしておくことがポイントです。

本人がスマートフォンの連絡先を探すことが難しい場合は、紙に印刷して固定電話の近くへ貼るなど、本人が普段使いやすい方法を選びましょう。

一人暮らしの防犯は無理なく続けられる仕組みにしよう

高齢者の一人暮らしで防犯対策を考えるときは、玄関へ高価な設備を付けることだけを目的にせず、日常生活の中で本人が続けられる仕組みを作ることが重要です。在宅中も玄関や必要な窓を施錠し、訪問者が来てもすぐドアを開けず、インターホンなどで相手を確認する基本から始めましょう。

電話については、高齢者本人が詐欺の手口をすべて覚えて見破ることを前提にしないほうが安心です。知らない番号にはすぐ出ない、防犯機能付き電話や留守番電話を利用する、お金やカード、個人情報の話が出たら一度電話を切るという簡単なルールにすると実践しやすくなります。

訪問販売や突然の住宅修理の勧誘についても、その場で契約する必要はありません。「家族に確認しないと決められません」と対応するルールを家族で共有し、本人が相手を説得したり詐欺かどうかを一人で判断したりしなくてよい環境を作りましょう。困った場合には警察相談専用電話#9110や消費者ホットライン188などへ相談できます。

離れて暮らす家族は、本人へ注意を繰り返すだけではなく、玄関や窓の施錠状況、インターホン、固定電話、宅配便の受け取り方法などを実際に確認してみることが大切です。本人が操作できない防犯用品を増やすのではなく、身体状態や生活習慣に合ったものを選び、必要な操作を一緒に練習しましょう。

また、防犯は本人と家族だけで抱える必要はありません。介護サービスを利用している場合にはケアマネジャーなどへ相談し、地域の見守りや消費生活相談につなげる方法もあります。普段から周囲との接点を保っておけば、本人が気づいていない不審な契約や訪問などを第三者が発見できる可能性もあります。

一人暮らしだから危険と決めつけるのではなく、玄関を開ける前に確認できる、知らない電話へ出なくて済む、お金の話は家族へ相談できる、困ったときの連絡先がすぐわかるという環境を一つずつ整えていきましょう。本人が安心して暮らし続けられ、家族も必要なときに支えられる防犯の仕組みを作ることが大切です。

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