高齢者のオムツいじりに困ったときの対策|衣類や環境でできる工夫|原因に合わせた排泄ケアで本人の不快感を減らそう!

介護する家族
※イメージとして作成した画像です

高齢の親や家族がおむつの中に手を入れたり、紙おむつを外したり、尿取りパッドを引っ張り出したりするようになると、介護する家族はどのように対応すればよいのか悩むものです。

特に夜間や目を離したときにおむつをいじる行動が続くと、衣類や布団が汚れたり、便が手や周囲に付着したりすることがあり、洗濯や清掃の負担が増えるだけでなく、本人の皮膚トラブルや衛生面も心配になります。

こうした行動は認知症のある人に見られることがありますが、必ずしも認知症だけが原因ではなく、排泄後の不快感、蒸れやかゆみ、おむつのサイズが合わないこと、尿意や便意、便秘、落ち着かない気持ちなど、さまざまな要因が関係している可能性があります。

そのため、おむつに手を入れられないようにすることだけを目的にすると、本人が感じている不快感や痛みを見逃すおそれがあり、衣類を工夫する場合にも、自由に動けない状態を作ったり、必要な排泄を妨げたりしないよう十分な配慮が必要です。

高齢者のオムツいじりに困ったときの対策として、行動の原因を見分ける方法から、おむつの選び方、衣類や寝具の工夫、トイレ誘導、皮膚のケア、夜間の見守り、便いじりへの対応まで、本人の尊厳と安全を守りながら介護者の負担を減らすための考え方を具体的に紹介します。

高齢者のオムツいじりに困ったときの対策|衣類や環境でできる工夫

高齢者のおむついじりを減らすためには、まずおむつの中に手を入れる理由を確認し、排泄後の不快感や皮膚のかゆみを取り除いたうえで、本人に合うおむつや衣類、生活環境を整えることが大切です。

特に、尿や便が出た後におむつを触る場合には交換のタイミングが合っていない可能性があり、就寝中だけ外す場合には蒸れや衣類の違和感、夜間の排泄リズムなどを確認することで、対策を考えやすくなります。

つなぎ型の衣類などが紹介されることもありますが、着脱を困難にする目的で安易に使用すると身体拘束に該当するおそれがあるため、最初から行動を封じるのではなく、本人が快適に過ごせる方法を優先しましょう。

おむつの不快感を取り除く

高齢者がおむつの中に手を入れる場合には、最初に尿や便による不快感がないかを確認することが重要であり、本人が言葉で気持ちを伝えられなくても、濡れたおむつを外そうとする行動によって不快感を示している可能性があります。

例えば排尿後に毎回おむつを引っ張る人や、排便した直後に手を入れる人では、交換のタイミングを早めることで行動が減る場合があり、本人にとっては汚れた下着を脱ぎたいという自然な反応であることも考えられます。

また、おむつの中が蒸れていたり、吸収材が膨らんで違和感が生じたりすると、排泄していなくても気になって触る場合があるため、交換時には汚れの有無だけでなく、おむつ内部の湿り気や皮膚の状態も確認しましょう。

  • 排尿後の濡れ
  • 排便後の汚れ
  • おむつ内部の蒸れ
  • 皮膚のかゆみ
  • 締め付けやずれ

国立がん研究センター中央病院の排泄ケアに関する案内でも、本人の活動量や生活スタイル、尿漏れや便漏れの状態に合わせて用品を選び、排泄後は早めに交換することの重要性が示されているため、まずは日常のケアを見直すことが基本になります。

ただし、交換回数を増やしてもおむついじりが続く場合には、かゆみや痛み、排泄機能の問題など別の原因が隠れている可能性もあるため、行動を止めることだけに集中せず、医療職や介護職へ相談しましょう。

おむつのサイズを見直す

おむつのサイズが本人の体形に合っていない場合には、腰や太ももの部分が締め付けられたり、歩いたときにずれたりすることで不快感が生じ、おむつを引っ張ったり外したりする行動につながる可能性があります。

例えば大きすぎる紙パンツでは動くたびに股の部分が下がって気になることがあり、反対に小さすぎる紙パンツではウエストや脚の付け根が圧迫され、皮膚に赤い跡が残る場合があります。

また、尿漏れを防ごうとしておむつの中にパッドを何枚も重ねると、かえって厚みや蒸れが増えたり、製品本来の吸収性能を十分に発揮できなかったりする場合があるため、必要以上の重ね使いは避けることが大切です。

気になる状態見直す点
腰回りがきついサイズと装着位置
歩くとずれるフィット感
股部分が膨らむ吸収量と交換時期
脚に赤い跡が残る締め付け
横漏れが多い製品の種類と当て方

おむつのサイズは体重だけでなくウエストやヒップの寸法、身体の動かしやすさなども関係するため、パッケージの表示を参考にしながら、本人が座ったときや歩いたときの状態まで確認するとよいでしょう。

なお、サイズを小さくして脱ぎにくくする方法は、圧迫や皮膚トラブルを招くおそれがあるため避け、本人が快適に動けることと漏れを防ぐことの両方を考えて選びましょう。

紙パンツの種類を変える

現在使用しているおむつが本人の生活動作に合っていない場合には、紙パンツ型やテープ型などの種類を見直すことで、違和感や着脱時の混乱を減らせる可能性があります。

例えば自分で立ち上がったりトイレへ移動したりできる人には、通常の下着に近い感覚で上げ下げできる紙パンツ型が向いている場合があり、本人が自分で排泄する機会を残しやすいという利点もあります。

一方で、ベッド上で過ごす時間が長く、介助者による交換が中心の人にはテープ型が適する場合もありますが、テープの位置や装着時の締め付けが気になって触る人もいるため、実際の反応を確認することが重要です。

また、尿取りパッドを頻繁に引き抜く場合には、パッドの厚みや当て方、吸収量が本人に合っているかを確認し、製品の変更によって違和感が軽くなるかを試す方法もあります。

製品を選ぶ際には、吸収量が多いほどよいと考えるのではなく、日中の活動量、夜間の排尿量、交換できる頻度などに合わせることが大切であり、迷う場合には訪問看護師や排泄ケアに詳しい専門職へ相談しましょう。

衣類の着心地を整える

おむついじりへの対策では、おむつそのものだけでなく、上に着る衣類の素材や形を見直すことも役立ち、腰回りの締め付けや縫い目の刺激、衣類のずれなどを減らすことで、本人が落ち着いて過ごせる場合があります。

例えばウエストのゴムが強いズボンや、股部分に厚い縫い目がある衣類では、座った姿勢や寝返りの際に不快感が生じることがあるため、やわらかい素材で適度にゆとりのある衣類を選ぶとよいでしょう。

また、汗をかきやすい人では衣類の通気性も重要であり、室温に合わない厚着をしているとおむつ内部が蒸れやすくなるため、季節や寝具との組み合わせを考えて調整することが大切です。

  • 肌触りのよい素材
  • 締め付けの少ない腰回り
  • 動きやすい形
  • 季節に合う通気性
  • 本人が好むデザイン

着替えの際には、本人が自分でできる動作をできるだけ残し、急に服装を変更することを嫌がる場合には、普段着に近い見た目のものから試すことで抵抗感を減らせる可能性があります。

なお、衣類を脱げないように固定したり、本人が助けを求められない状態にしたりすることは安全上の問題につながるため、衣類の工夫はあくまで快適さと適切な排泄介助を支える目的で行いましょう。

つなぎ型衣類の扱いを慎重に考える

おむつを頻繁に外す人への対策として、つなぎ型の介護衣類が紹介されることがありますが、本人が自分の意思で脱げない構造や、介護者以外が開けられない仕組みを利用して行動を制限する場合には、身体拘束に該当するおそれがあるため慎重な判断が必要です。

例えば便いじりによって寝具が繰り返し汚れる場合でも、汚染を防ぐことだけを目的として脱衣を困難にするのではなく、排便のタイミングや皮膚の不快感、トイレに行きたい気持ちなどを確認し、より制限の少ない方法を先に検討することが大切です。

介護施設では身体拘束の原則禁止や適正化のための基準があり、在宅介護でも本人の尊厳や身体の安全を守る考え方は重要であるため、家族だけで判断せず、ケアマネジャーや医療職などと相談することが望まれます。

確認する点考え方
使用目的不快感の軽減を優先
本人の意思希望や拒否を尊重
着脱の自由不必要に制限しない
排泄への影響我慢や汚染を防ぐ
専門職の関与事前に相談する

特に、ファスナーを本人が開けられないように固定する、鍵や特殊な留め具で衣類を脱げなくするなどの方法は、身体拘束の問題だけでなく、排泄を我慢することや緊急時に脱衣できないことにもつながるため、安易に取り入れないでください。

衣類を変更する場合には、本人が着心地を嫌がっていないか、暑さや蒸れが増えていないか、トイレに行きたいときに適切な介助を受けられるかを確認し、必要に応じて方法を見直しましょう。

排泄の時間を把握する

おむついじりが起こる時間帯に一定の傾向がある場合には、排尿や排便のタイミングを記録することで、本人が不快感を感じる前にトイレへ誘導したり、おむつを交換したりできる可能性があります。

例えば毎朝起床後に便いじりが起こる場合には、夜間から早朝にかけて排便している可能性があり、朝の訪室時間や排泄介助のタイミングを見直すことで、便が長時間おむつ内に残る状態を減らせる場合があります。

また、食後や水分摂取後に排尿する傾向がある人では、その時間帯に声をかけることでトイレで排泄できる機会が増えることもあり、おむつへの依存を減らす方向で支援できる場合があります。

  • 排尿した時間
  • 排便した時間
  • おむつを触った時間
  • 食事や水分摂取
  • 本人の表情や行動

記録は一日中細かくつける必要はなく、特に困りごとが起こりやすい時間帯を中心に数日間の傾向を確認するだけでも、介護者同士で情報を共有しやすくなります。

ただし、排泄の時間を一定にしようとして水分を過度に制限したり、本人が嫌がっているのに長時間トイレへ座らせたりすることは避け、体調や意思を尊重しながら対応しましょう。

トイレへ誘導する

おむつを使用している高齢者でも、身体の状態によってはトイレで排泄できる場合があり、尿意や便意を感じたときにおむつへ手を入れてしまう人には、適切なタイミングでトイレへ誘導することが役立つ可能性があります。

例えば落ち着きなく立ち上がる、ズボンを触る、部屋の中を歩き回るなどの行動が排泄前に見られる人では、それらがトイレへ行きたいサインになっている場合があるため、行動の意味を観察することが大切です。

また、認知症によってトイレの場所が分からなくなっている場合には、入口を分かりやすくしたり、移動経路の障害物を減らしたりすることで、自分でトイレへ向かいやすくなる場合があります。

困りごと工夫の例
場所が分からない入口の表示
移動が難しい手すりや動線の整備
夜間に間に合わないポータブルトイレの検討
衣類を下ろせない着脱しやすい服装
便座に座れない姿勢と介助方法の確認

ただし、転倒の危険が高い人や、立ち上がりに強い介助が必要な人では、無理にトイレへ移動することが事故につながるため、身体機能に合った方法を専門職と相談する必要があります。

トイレ誘導の目的はおむつを外すことだけではなく、本人が安心して排泄できる機会を増やすことであるため、失敗しても責めず、できたことを尊重しながら続けましょう。

夜間の環境を整える

夜間におむついじりが増える場合には、寝具の蒸れや室温、睡眠の状態、夜間の排尿回数などを確認し、本人が不快感を感じにくい環境を整えることが重要です。

例えば寝室が暑すぎる場合には、おむつや衣類の中が蒸れてかゆみにつながることがあり、反対に寒すぎる場合には尿意が気になったり、トイレへ行くことをためらったりする場合があるため、季節に合わせた温度調整が必要です。

また、夜間にトイレへ行こうとして衣類を脱いでいる人に対しては、照明が暗くて場所が分からない可能性もあるため、足元灯を設置するなど、転倒を防ぎながら移動しやすい環境を考えるとよいでしょう。

  • 寝室の温度
  • 寝具の通気性
  • 足元の照明
  • トイレまでの動線
  • 夜間の排泄時間

夜間の見守りが必要な場合には、家族が何度も起きて確認する方法だけでなく、介護サービスや見守り機器などを活用できる可能性があるため、介護者の睡眠を守る視点も大切です。

ただし、本人の動きを常時監視することが心理的な負担につながる場合もあるため、見守り方法は必要性やプライバシーを考慮し、本人と家族の状況に合う形で選びましょう。

おむついじりが起こる原因を見分ける

高齢者のおむついじりは、同じような行動に見えても原因が異なる場合があり、排泄後の不快感で触っている人と、皮膚のかゆみで触っている人では、必要な対策も変わります。

また、認知症のある人では、尿意や便意を言葉で伝えにくくなったり、おむつの役割が理解できなくなったりすることもありますが、認知症だから仕方がないと決めつけると、治療できる身体的な問題を見逃すおそれがあります。

行動が起こる時間や直前の出来事、本人の表情、皮膚の状態などを組み合わせて確認し、原因が分からない場合や急に行動が増えた場合には、医療職へ相談することが重要です。

皮膚のかゆみや痛み

おむつの中に繰り返し手を入れる場合には、皮膚のかゆみや痛みが原因になっている可能性があり、特に尿や便が皮膚に長時間触れていると、赤みやただれなどの皮膚トラブルが生じやすくなります。

例えばおむつ交換の際に股の付け根やお尻が赤くなっていたり、本人が特定の部分を繰り返し掻いたりする場合には、蒸れや摩擦、排泄物による刺激などを考え、皮膚の状態を確認することが大切です。

また、紙おむつの素材が合わない場合や、洗浄剤の刺激が強すぎる場合にも不快感が生じることがあるため、製品を変更した時期や洗浄方法を変えた時期と症状の関係を振り返るとよいでしょう。

皮膚の状態考えたい対応
赤み刺激や摩擦を確認
湿ったただれ早めに医療相談
強いかゆみ皮膚疾患を確認
痛み原因の診察
傷や出血速やかに相談

国立がん研究センター中央病院では、尿や便による皮膚トラブルを防ぐために適切な用品選びとスキンケアが重要とされており、必要以上に何枚も重ねて蒸れを増やさないことや、皮膚を強くこすらないことも大切です。

ただし、赤みやただれが続く場合には単なるおむつかぶれ以外の病気が関係している可能性もあるため、市販薬を自己判断で使い続けず、医師や看護師へ相談しましょう。

認知症による理解の変化

認知症のある高齢者では、おむつを着けている理由が分からなくなったり、尿意や便意を感じても適切な行動につなげられなくなったりすることがあり、その結果としておむつを外したり中に手を入れたりする場合があります。

例えば以前はトイレへ行けていた人が、トイレの場所を思い出せなくなったり、ズボンや紙パンツの上げ下げの順番が分からなくなったりすると、排泄しようとして衣類を触る行動が増えることがあります。

また、本人にとっておむつが異物のように感じられる場合には、家族が必要性を説明しても理解が難しいことがあり、繰り返し説得するよりも不快感を減らす工夫や自然な声かけが役立つ場合があります。

  • おむつの役割が分からない
  • トイレの場所が分からない
  • 着脱の手順が難しい
  • 排泄の意思を伝えにくい
  • 違和感を言葉にできない

ただし、認知症があるからといっておむついじりの原因がすべて認知機能の変化にあるとは限らず、便秘や尿路の不調、皮膚の痛みなどが重なっている可能性もあるため、身体的な原因を確認することが重要です。

本人の行動を問題行動として叱るのではなく、何を伝えようとしているのかを考え、落ち着いた声で話しかけながら必要な支援につなげましょう。

便秘や排泄の不調

おむついじりが増えたときには、便秘や下痢、排尿時の痛みなどの排泄に関する不調が隠れている場合もあり、本人がうまく説明できないときには行動の変化として現れることがあります。

例えば便秘が続いてお腹が張っている人では、落ち着かずに衣類を触ったり、トイレへ何度も行こうとしたりする場合があり、便が少しずつ漏れる状態が起きている可能性もあります。

また、排尿時の痛みや頻尿がある場合には尿路の病気などが関係していることもあるため、急におむつを触る回数が増えたときには、尿の状態や発熱の有無、排尿時の表情なども確認することが大切です。

変化確認したいこと
排便が少ない便秘の有無
便が少しずつ漏れる便の状態
急な頻尿尿路の不調
排尿時に苦しそう痛みの有無
急な混乱全身状態と緊急性

特に発熱や血尿、強い腹痛、尿が出ない状態などがある場合には、通常のおむついじりへの対応よりも医療的な評価を優先する必要があり、急激な意識の変化や重い全身症状がある場合には緊急の相談が必要です。

排泄の不調が疑われる場合には、家族の判断で下剤や薬を増減せず、排便回数や尿の状態を記録して医師へ伝えましょう。

衣類や寝具を工夫して介護の負担を減らす

おむついじりによって衣類や布団が汚れる場合には、本人の行動を無理に止めるだけでなく、汚れたときの交換や清掃をしやすくする環境づくりが役立ちます。

特に在宅介護では、夜間に寝具を何枚も洗うことが続くと介護者の睡眠や体力が大きく削られるため、防水シーツや交換しやすい寝具を活用して、後片付けの負担を減らすことも重要です。

ただし、汚染対策を優先しすぎて本人が暑さや蒸れを感じたり、自由に寝返りを打てなくなったりしないよう、快適さと安全性の両方を確認しましょう。

防水シーツを活用する

おむついじりによって布団やマットレスが汚れる場合には、防水シーツを使用することで汚染が寝具の奥まで広がるのを防ぎ、洗濯や清掃の負担を減らせる可能性があります。

例えばマットレスの上に防水シーツを敷き、その上に肌触りのよいシーツを重ねる方法では、汚れた部分だけを交換しやすくなり、寝具全体を毎回洗う必要を減らせる場合があります。

また、部分用の防水シーツを利用すると、汚れやすい場所だけを取り替えられるため、夜間の交換作業を短時間で済ませたい家庭にも向いています。

  • 洗濯できる素材
  • 通気性
  • ずれにくさ
  • 交換しやすい大きさ
  • 肌触り

ただし、防水素材は製品によって通気性が異なり、蒸れや暑さにつながる場合があるため、本人の皮膚の状態や寝心地を確認しながら選ぶことが大切です。

防水シーツは汚染後の負担を減らすための補助的な用品であり、おむついじりの原因を取り除くものではないため、排泄ケアや皮膚の確認と組み合わせて利用しましょう。

交換しやすい衣類を選ぶ

おむついじりによって衣類が汚れる場合には、着替えやすく洗濯しやすい衣類を選ぶことで、本人と介護者の負担を減らせる可能性があります。

例えば腰回りにゆとりがあり、立った姿勢でも座った姿勢でも脱ぎ着しやすいズボンを選ぶと、汚れたときに短時間で交換できるため、本人が長時間不快な状態で過ごすことを防ぎやすくなります。

また、着替えを嫌がる人では、急に衣類を脱がせようとするよりも、交換する理由を短く説明して本人の反応を確認しながら進めることで、抵抗感を減らせる場合があります。

衣類の特徴期待できる利点
伸縮性がある動きやすい
ゆとりがある圧迫を減らせる
洗濯しやすい介護負担を軽減
肌触りがよい刺激を減らせる
着脱しやすい交換を円滑にする

衣類を選ぶ際には介護者が交換しやすいことだけでなく、本人が好きな色やデザインを取り入れることも大切であり、普段の服装に近いものを選ぶことで安心感につながる場合があります。

なお、汚染を防ぐ目的で衣類を過度に重ねたり、脱げないように固定したりすると、蒸れや身体拘束の問題につながるため、交換しやすさと本人の自由を両立できる方法を考えましょう。

清掃用品をまとめておく

おむついじりによる汚染が繰り返し起こる場合には、必要な清掃用品や交換用の衣類を一か所にまとめておくことで、慌てずに対応しやすくなり、介護者の心理的な負担を減らせる可能性があります。

例えば使い捨て手袋や汚物を入れる袋、清拭用品、交換用のおむつ、着替え、防水シーツなどを手の届く場所に準備しておくと、夜間に汚れを見つけたときにも必要な物を探し回らずに済みます。

また、便が手や寝具に付着した場合には、まず本人の安全を確認し、皮膚を傷つけないように清潔にしたうえで、汚れた衣類や寝具を交換することが大切です。

  • 使い捨て手袋
  • 交換用のおむつ
  • 清拭用品
  • 汚物を入れる袋
  • 予備の衣類
  • 防水シーツ

汚れを落とす際には強くこすらず、手指の間や爪の周囲なども丁寧に確認し、清掃後は介護者自身も石けんと流水で手を洗うなど、基本的な衛生管理を行いましょう。

ただし、清掃用品を本人が誤って口に入れたり、薬剤に触れたりしないよう保管場所には注意し、消毒剤を皮膚へ直接使用するなどの不適切な対応は避けてください。

便いじりがある場合の対応を考える

おむつの中の便を触ったり、手についた便を衣類や寝具に広げたりする行動は、介護者にとって特に負担が大きく、衛生面への心配から強く叱りたくなることもあります。

しかし、本人が便を触る理由には、排便後の不快感や便を取り除こうとする行動、認知機能の変化などが関係している可能性があり、本人の意思だけで簡単にやめられるとは限りません。

そのため、便いじりが起きたときの清潔な対応と、排便のタイミングを把握して汚染を減らす予防策を分けて考えることが重要です。

叱らずに落ち着いて対応する

便いじりを見つけた場合には、驚いて大声を出したり、本人の手を強くつかんだりするのではなく、まず落ち着いて声をかけ、本人が不安や興奮を強めないように対応することが大切です。

例えば本人が便のついた手で衣類を触っている場合でも、汚いからやめてと強く叱るよりも、手をきれいにしましょうと短く伝え、無理のない姿勢で清拭や着替えを進めるほうが、協力を得やすい場合があります。

また、認知症によって状況を理解することが難しい人では、言葉の内容よりも声の大きさや表情から不安を感じる場合があるため、急がずに本人の反応を確認することが重要です。

  • 大声で叱らない
  • 落ち着いて声をかける
  • 本人の安全を優先する
  • 皮膚を丁寧に清潔にする
  • 必要に応じて介助を交代する

厚生労働省の認知症介護に関する資料でも、本人が興奮しているときに無理に止めようとすると転倒などの事故につながる可能性があるため、落ち着くのを待ちながら対応することが示されています。

介護者自身が強いストレスを感じている場合には、一人で対応し続けず、家族や訪問介護職員などへ協力を求め、本人を責めずに対応できる環境を整えましょう。

排便後の交換を早める

便いじりを減らすためには、排便後に便がおむつの中へ長時間残らないようにすることが重要であり、排便しやすい時間帯を把握して交換やトイレ誘導のタイミングを調整することが役立つ場合があります。

例えば朝食後に排便することが多い人では、その時間帯にトイレへ誘導したり、おむつの状態を確認したりすることで、本人が不快感から便を触る前に対応できる可能性があります。

また、便秘と少量の便漏れを繰り返している場合には、便の状態や排便回数を確認する必要があり、便が出た回数だけでなく、硬さや量などを記録しておくと医療職へ相談しやすくなります。

確認項目目的
排便時間交換時期を予測
便の硬さ便秘や下痢を把握
便の量排泄状態を確認
行動の直前原因を探る
皮膚の状態不快感を確認

ただし、排便の時間を無理に変えようとして食事や水分を制限することは避け、本人の自然な排泄リズムを尊重しながら対応することが大切です。

便秘や下痢が続く場合には、おむついじりへの対策だけでは十分ではないため、かかりつけ医へ相談して排便管理を見直しましょう。

衛生管理を徹底する

便いじりによって手や衣類、寝具などが汚れた場合には、感染症や皮膚トラブルを防ぐために適切な衛生管理を行うことが重要であり、本人だけでなく介護者の手指衛生にも注意が必要です。

例えば便が手についている場合には、使い捨て手袋を使用して汚れを取り除き、皮膚を傷つけないように洗浄し、指の間や爪の周囲など汚れが残りやすい部分も確認しましょう。

また、汚れた衣類や寝具はほかの洗濯物と分けて扱うことを検討し、感染性胃腸炎が疑われる場合には、自治体や医療機関が案内する適切な消毒方法に従うことが大切です。

  • 手袋を使用する
  • 手指を丁寧に洗う
  • 汚れた寝具を交換する
  • 皮膚の傷を確認する
  • 清掃後に手洗いする

ただし、皮膚を何度も強くこすったり、刺激の強い洗浄剤を使ったりすると、かえって皮膚を傷つけることがあるため、やさしく洗って水分を取り除き、必要に応じて保湿や皮膚保護を行いましょう。

便いじりが繰り返される場合には清掃方法を工夫するだけでなく、排便のタイミングやおむつの状態を見直し、汚染そのものを減らす対策を専門職と一緒に考えることが重要です。

介護者が無理をしないための支援を活用する

高齢者のおむついじりが続くと、介護者は洗濯や清掃、夜間の見守りに追われ、十分な睡眠や休息を取れなくなることがあり、長期間一人で対応し続けることは心身の大きな負担になります。

特に便いじりや夜間の脱衣が頻繁に起こる場合には、本人の排泄状態や認知機能、生活環境などを総合的に見直す必要があるため、家族だけで解決しようとせず、介護職や医療職へ相談することが大切です。

また、介護サービスを利用することは家族の責任を放棄することではなく、本人が安心して生活できる環境を整え、介護者が無理なく関わり続けるための方法の一つです。

ケアマネジャーへ相談する

おむついじりへの対応に困っている場合には、担当のケアマネジャーへ具体的な状況を伝えることが重要であり、排泄ケアや見守りの方法を見直すために、訪問介護や訪問看護などの支援を検討できる場合があります。

例えば夜間におむつを外すことが多い場合や、排便後の汚染が繰り返される場合には、どの時間帯に何が起きているのかを記録し、本人の生活リズムに合ったサービス利用を相談するとよいでしょう。

また、本人がトイレへ移動できる場合には、手すりやポータブルトイレなどの福祉用具を活用できる可能性もあるため、おむつの使用方法だけでなく排泄環境全体を見直すことが大切です。

相談内容検討する支援
交換が大変訪問介護
皮膚の状態が心配訪問看護
トイレ移動が難しい福祉用具
家族の休息が必要短期入所
介護方法が分からない専門職による助言

ただし、介護保険サービスには要介護認定や利用条件があり、希望する時間帯に必ず支援を受けられるとは限らないため、現在のサービス内容と利用可能な選択肢を確認する必要があります。

担当のケアマネジャーがいない場合には、親が住んでいる地域の地域包括支援センターへ相談し、介護保険の利用や排泄ケアに関する支援につなげてもらいましょう。

医療職へ皮膚や排泄の状態を相談する

おむついじりが急に増えた場合や、皮膚の赤み、痛み、排尿や排便の異常がある場合には、かかりつけ医や訪問看護師へ相談することが重要であり、身体的な原因を確認することで適切な対策につながる可能性があります。

例えばおむつ交換のたびに痛がる人や、股の部分を繰り返し掻く人では、皮膚炎などの治療が必要な場合があり、おむつの種類を変えるだけでは症状が改善しないこともあります。

また、便秘や下痢、排尿時の痛みなどが関係している場合には、排泄状態の評価や治療によって不快感を軽減できる可能性があるため、日常の行動と身体症状を一緒に伝えることが大切です。

  • 皮膚の赤みやただれ
  • 強いかゆみや痛み
  • 便秘や下痢
  • 排尿時の異常
  • 急な行動の変化

特に発熱や強い腹痛、血尿、意識の変化などがある場合には、通常のおむついじりとして様子を見るのではなく、症状に応じて速やかに医療機関へ相談する必要があります。

医療職へ相談する際には、いつから行動が増えたのか、どの時間帯に起こるのか、皮膚や排泄の状態に変化があるかを具体的に伝えることで、原因を確認しやすくなります。

家族の休息時間を確保する

おむついじりへの対応が長期間続く場合には、介護者自身の休息を確保することも重要であり、夜間の見守りや頻繁な清掃によって睡眠不足が続くと、身体的な疲労だけでなく気持ちの余裕も失いやすくなります。

例えば夜間に何度も起きておむつを確認している場合には、家族で対応を分担したり、介護サービスの利用時間を見直したりすることで、一人に負担が集中しない体制を考えることができます。

また、短期入所生活介護などを利用できる場合には、一定期間介護を専門職へ任せて休息を取ることも選択肢になり、介護者が体調を整えることで、その後の介護を続けやすくなる場合があります。

負担の内容検討する方法
夜間の睡眠不足見守り体制の見直し
洗濯や清掃寝具と用品の工夫
一人での介護家族や専門職と分担
休息不足短期入所の相談
精神的な負担相談窓口の活用

介護者が強い疲労やいら立ちを感じている場合には、無理に対応を続けることで本人への接し方が厳しくなる可能性もあるため、早めに支援を求めることが大切です。

本人のおむついじりを完全になくすことだけを目標にするのではなく、本人の不快感を減らしながら、家族も生活を維持できる介護体制を整えていきましょう。

おむついじりは原因を確認して無理のない方法で対応しよう

高齢者がおむつの中に手を入れたり、おむつを外したりする行動には、排泄後の不快感、蒸れやかゆみ、おむつのサイズが合わないこと、尿意や便意、認知機能の変化などさまざまな原因が考えられるため、行動だけを止めようとせず、本人が何に困っているのかを確認することが重要です。

具体的には、排尿や排便の時間を記録して交換やトイレ誘導のタイミングを見直し、本人の体形や生活動作に合ったおむつを選び、衣類の締め付けや寝具の蒸れを減らすことで、不快感を軽くできる場合があります。

また、防水シーツや交換しやすい衣類、清掃用品の準備などによって汚染後の負担を減らすことも役立ちますが、つなぎ型の衣類などで本人が自由に脱衣できない状態を作ることには身体拘束の問題があるため、安易に行動を制限する方法を選ばず、必要に応じて専門職へ相談しましょう。

便いじりが起きた場合には、大声で叱ったり無理に止めたりするのではなく、本人の安全を確認して落ち着いて清潔な状態へ戻し、排便のタイミングや皮膚の状態を確認することで、同じ状況が繰り返される原因を探ることが大切です。

おむついじりが頻繁に起こる場合や、皮膚のただれ、痛み、便秘、排尿時の異常などがある場合には、かかりつけ医や訪問看護師へ相談し、家族の負担が大きい場合にはケアマネジャーや地域包括支援センターを通じて介護サービスの利用を検討することで、本人の尊厳と安全を守りながら、介護者も無理なく続けられる排泄ケアを目指しましょう。

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