親や配偶者など家族の介護が始まると、介護用品の購入費や通院の交通費、介護サービスの利用料など、さまざまな出費が増えることがあります。
さらに、仕事を休んだり勤務時間を減らしたりする必要が生じると、介護にかかる費用だけでなく収入の減少も心配になり、家族を介護している人がもらえるお金はないのかと考える人も多いでしょう。
実際には、一定の条件を満たす家族介護者へ支給される自治体の慰労金や、仕事を休んで介護する人を支える介護休業給付金など、家族の介護に関連する給付制度があります。
また、介護サービスの自己負担が一定額を超えたときに払い戻しを受けられる制度や、介護用品の購入費を助成する自治体の事業、所得税の負担を軽くする控除などもあり、現金を直接受け取る制度と家計の支出を減らす制度を分けて理解することが重要です。
ただし、家族を介護していれば誰でも毎月決まった金額を受け取れるわけではなく、介護する人の働き方、介護を受ける人の要介護度、世帯の所得、介護サービスの利用状況、住んでいる自治体などによって対象になる制度が変わります。
特に家族介護慰労金は自治体ごとに実施状況や条件が異なり、介護休業給付金は雇用保険に加入して働く人を対象とするため、名前だけを見て利用できると判断しないことが大切です。
ここでは、家族の介護でもらえるお金の種類を具体的に紹介し、支給額の目安、申請条件、手続きの流れ、介護費用を軽くする制度、働きながら介護を続けるための支援まで整理します。
家族の介護でもらえるお金は何がある
家族の介護に関係するお金には、介護者本人が受け取る給付金や慰労金、介護を受ける本人に対する助成、介護保険による費用の軽減、税金の控除などがあります。
最初に確認したいのは、家族介護慰労金と介護休業給付金ですが、どちらも対象者が限られているため、介護保険の払い戻しや自治体独自の支援制度も含めて探すことが大切です。
以下の八つは、家族介護に伴う経済的な負担を軽くするために確認したい代表的な制度や仕組みであり、実際に受け取れる金額や利用条件はそれぞれ異なります。
家族介護慰労金
家族介護慰労金は、重度の要介護状態にある高齢者を在宅で介護している家族に対して、一部の自治体が支給しているお金であり、家族の介護でもらえるお金を探すときに確認したい制度の一つです。
例えば東京都新宿区では、要介護4または5の高齢者を介護している低所得世帯の家族について、一定の条件を満たす場合に年額10万円を支給する制度が案内されています。
ただし、対象となるには、原則として一定期間介護保険サービスを利用していないことや、本人と介護者が住民税非課税世帯であることなど、厳しい条件が設けられているため、要介護4や5であれば必ず受け取れるわけではありません。
また、ショートステイの利用日数や入院期間、同居の条件などは自治体によって扱いが異なるため、ほかの地域の支給条件をそのまま当てはめないことが重要です。
例えば訪問介護やデイサービスを定期的に利用している家庭では、慰労金の対象外になる場合がありますが、介護サービスを利用することで身体的な負担を減らせるため、慰労金を受け取る目的だけで必要なサービスを控えることはおすすめできません。
制度の実施状況は自治体の高齢者福祉担当窓口で確認でき、具体例として新宿区の家族介護慰労金では、対象者や申請手続きが案内されています。
介護休業給付金
介護休業給付金は、雇用保険の被保険者が一定の条件を満たして介護休業を取得した場合に支給される制度であり、仕事を休んで家族の介護体制を整える人にとって重要な収入面の支援になります。
厚生労働省によると、給付額は原則として休業開始時賃金日額に支給日数と67%を掛けて計算されるため、休業中に賃金が支払われない場合には、休業前の給与水準に応じた給付を受けられる可能性があります。
例えば休業前の月額賃金が平均30万円程度の場合、厚生労働省の例では一か月あたり約20万1,000円が目安とされていますが、実際には給付額の上限や休業中の賃金支払いなどによって金額が変わります。
また、同じ対象家族について給付対象となる介護休業は通算93日を限度に3回までとされており、介護が続く限り無期限に受け取れる制度ではありません。
介護休業は、介護サービスの手配や家族間の役割分担、退院後の生活環境の調整などに活用することが想定されるため、休業期間中にすべての介護を一人で担う必要があると考えず、今後の介護体制を整える時間として利用することが大切です。
支給条件や手続きの詳細は厚生労働省の介護休業給付に関する案内で確認でき、申請は原則として勤務先を経由して行います。
高額介護サービス費
高額介護サービス費は、介護保険サービスの利用者負担が所得に応じた月額上限を超えた場合に、超過分の支給を受けられる制度であり、介護する家族へ直接支払われる報酬ではありませんが、世帯の介護費用を抑えるために重要です。
例えば一定の課税所得に満たない住民税課税世帯では、対象となる介護サービスの利用者負担について、世帯単位の月額上限が4万4,400円となる区分があります。
ただし、上限額は世帯の所得区分によって異なり、食費や居住費、福祉用具購入費など、対象に含まれない費用もあるため、介護に使ったお金がすべて払い戻されるわけではありません。
| 所得区分の例 | 月額上限の例 |
|---|---|
| 一般的な住民税課税世帯 | 44,400円・世帯 |
| 一定の高所得世帯 | 93,000円・世帯 |
| さらに所得が高い世帯 | 140,100円・世帯 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円・世帯など |
例えば介護保険の対象となる自己負担額が一か月に6万円で、適用される上限が4万4,400円の場合には、ほかの条件を満たせば差額の1万5,600円が支給対象になる計算です。
実際の所得区分や対象費用、申請方法は自治体で確認する必要があり、制度の概要は厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも案内されています。
介護用品の購入助成
自治体によっては、在宅で介護を受ける高齢者やその家族に対して、紙おむつや尿取りパッドなどの介護用品を支給したり、購入費用の一部を助成したりする制度があります。
特に排泄介助が必要な高齢者を介護している家庭では、紙おむつやパッドを継続的に購入することが家計の負担になるため、毎月の支出を抑えられる可能性があります。
例えば自治体が指定する用品を現物で配送する方式や、購入に利用できる券を交付する方式、条件を満たした購入費を助成する方式などが考えられますが、実施内容は地域によって異なります。
また、要介護度や所得制限、在宅で生活していることなどが条件となる場合があり、病院や介護施設へ入院・入所している期間には対象外になることもあります。
そのため、紙おむつを購入する前に自治体の高齢者福祉窓口へ相談し、対象となる用品や購入方法、申請時期を確認しておくことが重要です。
介護用品の助成は家族へ現金が直接振り込まれる制度とは限りませんが、継続的な出費を減らす効果があるため、介護費用全体を考える際には忘れずに確認したい支援です。
住宅改修費の支給
介護保険では、一定の条件を満たす住宅改修について費用の一部が保険給付の対象になるため、家族が介護しやすい住環境を整える際の負担を軽減できます。
対象となる工事には、手すりの取り付けや段差の解消、滑りにくい床材への変更、引き戸への交換などがあり、転倒予防や移動の負担軽減につながる場合があります。
住宅改修費の支給限度基準額は原則として20万円であり、対象となる工事費について利用者の負担割合に応じた保険給付を受けられる仕組みですが、20万円をそのまま現金でもらえる制度ではありません。
例えば自己負担割合が1割で、保険給付の対象となる工事費が20万円の場合には、原則として18万円が保険給付の対象となり、本人の負担は2万円となる計算です。
ただし、対象工事や支給条件には制限があり、工事を始める前にケアマネジャーなどへ相談して必要な書類を整え、自治体へ事前申請することが重要です。
工事を終えてから初めて相談すると給付を受けられない場合があるため、詳細は厚生労働省の福祉用具・住宅改修に関する案内を確認しましょう。
福祉用具購入費の支給
介護保険では、一定の福祉用具を購入する際に費用の一部が支給対象となる制度があり、介護を受ける人の生活を支えるとともに、家族の介助負担を減らすためにも活用できます。
対象には腰掛便座や入浴補助用具などが含まれ、購入費の支給限度基準額は原則として同一年度内に10万円となっています。
例えば対象となる入浴用いすを購入する場合には、本人の負担割合に応じた保険給付を受けられる可能性がありますが、指定を受けた販売事業者から購入することなどの条件を満たす必要があります。
また、2024年4月からは一部の福祉用具について貸与と販売を選べる仕組みが導入されているため、購入したほうがよいのか、レンタルしたほうがよいのかを本人の身体状況に合わせて検討することが大切です。
例えば身体の状態が変わりやすい人では、購入後に使わなくなる可能性もあるため、福祉用具専門相談員やケアマネジャーへ相談してから選ぶとよいでしょう。
なお、一般の店舗で購入した介護用品がすべて対象になるわけではないため、購入前に保険給付の対象品目と販売事業者の条件を確認する必要があります。
医療費控除
医療費控除は、一定の医療費を支払った場合に所得税の計算上の控除を受けられる制度であり、家族の介護に関係する費用の一部も条件によって対象になることがあります。
例えば医療系の介護保険サービスや、医療系サービスと組み合わせて利用する一定の介護サービスなどは、条件を満たせば医療費控除の対象になる場合があります。
また、傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで、医師が必要と認めた場合のおむつ代についても、所定の証明書などがあれば医療費控除の対象になることがあります。
ただし、介護に使ったすべてのお金が控除されるわけではなく、食費や日用品費、一般的な生活用品の購入費などは対象外になる場合があるため、支出の内容を分けて管理することが重要です。
医療費控除は支払った費用がそのまま返ってくる制度ではなく、所得控除によって税負担が軽くなる仕組みなので、実際の節税額は所得やほかの控除の状況によって異なります。
対象となる費用の詳細は国税庁の医療費控除に関する案内を確認し、領収書や必要な証明書を保管しておきましょう。
扶養控除や障害者控除
親などの家族を経済的に支えている場合には、所得や生計の状況などの条件を満たすことで、扶養控除や障害者控除を利用できる可能性があります。
例えば70歳以上の親が所得税の老人扶養親族に該当する場合には、同居老親等に当たるかどうかによって控除額が異なり、国税庁の案内では48万円または58万円の所得控除が示されています。
また、介護を受けている人が税法上の障害者や特別障害者に該当する場合には、障害者控除を利用できる可能性があり、一定の要件を満たす同居特別障害者については控除額が大きくなります。
ただし、要介護認定を受けているだけで自動的に障害者控除の対象になるとは限らず、自治体が交付する障害者控除対象者認定書などの確認が必要になる場合があります。
また、扶養控除は親と同居していることだけで決まるものではなく、生計を一にしているか、親の所得が基準を満たしているかなどの条件によって判断されます。
控除額と実際に減る税額は異なるため、制度の概要は国税庁の扶養控除に関する案内などで確認し、年末調整や確定申告の際に適用できるかを調べましょう。
家族介護慰労金を受け取る条件
家族介護慰労金は、家族を介護している人にとって気になる制度ですが、すべての自治体で同じ内容が実施されているわけではありません。
多くの実施例では、重度の要介護状態にある高齢者を在宅で介護していること、住民税非課税世帯であること、一定期間介護保険サービスを利用していないことなどが条件とされています。
申請できると思っていても、要介護度やサービス利用状況によって対象外になる場合があるため、支給額だけでなく細かな条件を確認することが大切です。
要介護度の条件
家族介護慰労金の対象者については、要介護4または要介護5の認定を受けている高齢者を介護していることが条件とされる自治体が多く見られます。
例えば東京都杉並区では、要介護4または5の認定を受けた人を在宅で一定期間介護している同居家族について、ほかの要件も満たす場合に慰労金を支給する制度が案内されています。
ただし、要介護度の条件は自治体の事業によって異なる可能性があり、認定を受けた日から一定期間が経過していることや、継続して重度の認定を受けていることなどが必要になる場合があります。
- 要介護認定の有無
- 現在の要介護度
- 認定を受けた時期
- 認定が継続した期間
- 在宅介護の実績
また、要介護3以下の人を介護している家庭でも、自治体によって別の支援制度が利用できる可能性があるため、慰労金の対象外だからといって支援が何もないとは限りません。
要介護度が変わった場合や更新認定の時期が近い場合には、対象期間の扱いが支給判断に関係することがあるため、自治体の担当窓口へ確認しましょう。
所得や世帯の条件
家族介護慰労金では、介護を受ける本人と介護する家族が住民税非課税世帯であることを条件とする自治体があり、所得の状況によって対象になるかが変わります。
例えば本人の収入が少なくても、同じ世帯に住民税が課税されている家族がいる場合には、自治体の定める条件を満たさない可能性があります。
また、同居が必要な制度や、同じ敷地内など実質的に同居に近い状態を認める制度もあるため、住民票上の世帯構成だけでなく、実際の生活状況も確認される場合があります。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 本人の所得 | 住民税の課税状況 |
| 介護者の所得 | 世帯の課税状況 |
| 居住状況 | 同居・近隣居住 |
| 住所 | 自治体内の居住要件 |
| 介護期間 | 必要な継続期間 |
ただし、世帯分離をすれば必ず慰労金を受け取れるわけではなく、実際に同じ住居で暮らしている家族の課税状況まで確認する自治体もあります。
支給を受けるためだけに世帯の扱いを変更しようとするのではなく、制度の目的と実際の生活状況に沿って申請することが重要です。
介護サービスの利用条件
家族介護慰労金で特に注意したいのは、一定期間介護保険サービスを利用していないことが支給条件になる場合がある点です。
例えば東京都新宿区では、原則として一年間介護保険サービスを利用していないことが条件とされ、短期間のショートステイについては例外が設けられています。
一方で、自治体によって認められるショートステイの日数や、入院期間の取り扱い、福祉用具の利用をどう判断するかなどが異なるため、制度を利用する前に詳細を確認する必要があります。
- 訪問介護の利用
- デイサービスの利用
- ショートステイの日数
- 福祉用具の利用
- 入院した期間
ただし、慰労金を受け取るために介護サービスを使わないという選択は、介護者の身体的・精神的な負担を増やす可能性があるため、必要な支援を優先することが大切です。
介護サービスの利用によって慰労金の対象外になったとしても、介護保険による費用負担の軽減や高額介護サービス費など、別の支援を活用できる場合があります。
介護休業給付金で収入減少に備える
働きながら家族を介護している人にとっては、介護用品の費用だけでなく、仕事を休むことによる収入の減少が大きな問題になることがあります。
介護休業給付金は、一定の条件を満たして介護休業を取得した雇用保険の被保険者を支える制度であり、家族介護慰労金とは対象者や支給の仕組みが異なります。
休業中の給付を利用しながら介護サービスや家族の役割分担を整えることで、仕事を辞めずに介護を続けるための準備を進めやすくなる場合があります。
支給額の計算方法
介護休業給付金の支給額は、原則として休業開始時賃金日額に支給日数と67%を掛けて計算されるため、休業前の給与水準によって受け取れる金額が変わります。
厚生労働省の例では、休業前の平均月額賃金が15万円程度の場合には月額約10万円、20万円程度の場合には約13万4,000円、30万円程度の場合には約20万1,000円が目安として示されています。
ただし、実際の給付額には上限があり、休業中に勤務先から賃金が支払われる場合には給付額が減額されたり、支給対象外になったりすることがあります。
| 休業前の平均月額賃金 | 給付額の目安 |
|---|---|
| 15万円程度 | 約10万円 |
| 20万円程度 | 約13万4,000円 |
| 30万円程度 | 約20万1,000円 |
また、介護休業給付金は休業中の生活を支える制度であり、通常の給与と同じ金額が保証されるわけではないため、休業前に家計の支出を確認しておくことが重要です。
給付額の計算に用いられる賃金や支給日数について不明な点がある場合には、勤務先の担当部署やハローワークへ相談しましょう。
対象となる家族
介護休業給付金の対象となる介護休業では、一定の介護を必要とする家族を支えるために仕事を休むことが条件とされています。
対象家族には配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫などが含まれるため、実の親だけでなく義理の親などの介護でも対象になる可能性があります。
ただし、対象家族に該当するだけでは十分ではなく、負傷や疾病、身体上または精神上の障害によって、二週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であることなどが条件になります。
- 配偶者
- 父母
- 子
- 配偶者の父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
また、介護休業給付金を受けるには雇用保険の被保険者であることや、休業開始前の被保険者期間など、雇用保険上の要件も満たす必要があります。
そのため、自営業者や雇用保険に加入していない人は原則として対象にならず、働き方によって利用できる支援が異なることを理解しておきましょう。
休業できる期間
介護休業給付金の対象となる介護休業は、同じ対象家族について通算93日を限度に3回までとされており、介護が長期間続く場合でも無制限に受給できるわけではありません。
例えば親が退院するときに一度休業し、その後に介護体制を見直す必要が生じた場合には、条件の範囲内で休業を分けて取得することが考えられます。
ただし、介護休業を取得できる条件や申し出の期限、雇用保険の給付要件はそれぞれ確認する必要があるため、勤務先へ早めに相談することが大切です。
- 対象家族ごとに通算93日
- 分割は3回まで
- 勤務先への申し出が必要
- 雇用保険の要件を確認
- 給付申請の手続きを確認
また、介護休業とは別に、介護休暇や短時間勤務などの両立支援制度を利用できる場合もあるため、休業期間が終わった後の働き方も含めて検討するとよいでしょう。
介護休業を取る際には、家族が一人で介護を抱え込むのではなく、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携して、仕事へ戻った後も続けられる介護体制を整えることが重要です。
介護費用を減らすために確認したいこと
家族の介護に関連する支援は、現金を受け取る制度だけではなく、毎月の介護費用を抑えたり、税負担を軽くしたりする制度もあります。
特に在宅介護が長く続く場合には、介護サービスの自己負担や紙おむつなどの消耗品費、住宅の改修費などが積み重なるため、支出を減らす仕組みを知っておくことが大切です。
また、介護を受ける本人の年金や預貯金、家族の収入などを整理し、どの費用を誰が負担しているかを明確にすることで、利用できる制度を探しやすくなります。
介護費用を記録する
介護費用を軽減する制度を利用するためには、毎月どのような支出が発生しているかを記録しておくことが役立ちます。
例えば介護サービスの利用料、紙おむつや尿取りパッドの購入費、通院の交通費、福祉用具の購入費などを分けて管理すると、負担の大きい項目を把握しやすくなります。
また、医療費控除の対象になる可能性がある支出については、領収書や利用明細を保管しておくことで、確定申告の際に確認しやすくなります。
- 介護サービスの利用料
- 医療機関への支払い
- 紙おむつなどの消耗品費
- 福祉用具の購入費
- 住宅改修費
- 通院に関係する費用
ただし、支出を記録していても、すべての費用が助成や控除の対象になるわけではないため、制度ごとに対象範囲を確認する必要があります。
家族間で介護費用を分担している場合には、誰がどの費用を支払ったかも記録しておくと、後から負担について話し合う際に役立ちます。
所得に応じた軽減制度を探す
介護保険には、所得に応じて利用者負担を軽減する仕組みがあるため、本人や世帯の所得状況を確認することが重要です。
例えば高額介護サービス費では、対象となる介護サービスの自己負担が月額上限を超えた場合に払い戻しを受けられる可能性があります。
また、介護保険施設の食費や居住費については、一定の所得や資産の条件を満たす人が負担限度額認定を受けることで、費用が軽減される場合があります。
| 制度 | 主な目的 |
|---|---|
| 高額介護サービス費 | 月々の自己負担を軽減 |
| 負担限度額認定 | 施設の食費・居住費を軽減 |
| 介護用品助成 | 消耗品費の負担を軽減 |
| 住宅改修費支給 | 住環境整備の費用を軽減 |
ただし、これらの制度は対象となる費用や所得・資産の条件が異なり、申請が必要な場合もあるため、利用前に自治体の担当窓口へ確認することが大切です。
介護費用が家計を圧迫している場合には、利用中の介護サービスを急に減らす前に、ケアマネジャーへ相談して負担を軽くできる制度がないか確認しましょう。
家族間の負担を整理する
家族の介護に関係するお金を考える際には、公的制度の利用だけでなく、家族間で費用や役割をどのように分担するかを整理することも重要です。
例えば一人の家族が仕事を休んで介護を担い、別の家族が介護用品の購入費を負担している場合には、それぞれの負担が見えにくくなることがあります。
また、介護を受ける本人に年金や預貯金がある場合には、本人の生活費や介護費用をどのように支払うかを確認し、本人の意思や財産管理の状況に配慮する必要があります。
- 介護を担当する人
- 費用を支払う人
- 本人の収入と支出
- 利用する介護サービス
- 緊急時の連絡体制
ただし、家族が介護していることを理由に、本人の預貯金を自由に使ってよいわけではなく、本人の意思や財産管理に関する法律上のルールを守ることが大切です。
介護費用の負担について意見が分かれる場合には、家族だけで話し合うのではなく、地域包括支援センターや必要に応じて法律の専門家へ相談する方法もあります。
家族の介護でもらえるお金は条件を確認して活用しよう
家族の介護でもらえるお金には、自治体が実施する家族介護慰労金や、雇用保険の被保険者が介護休業を取得した場合の介護休業給付金などがあり、介護する人の働き方や介護を受ける人の状態によって対象になる制度が異なります。
家族介護慰労金は要介護4または5の高齢者を在宅で介護していることや、住民税非課税世帯であること、一定期間介護保険サービスを利用していないことなどが条件となる場合が多く、自治体によって実施状況や支給額、申請方法が異なるため、住んでいる地域の窓口へ確認することが重要です。
一方で、介護休業給付金は一定の条件を満たして介護休業を取得した人を支える制度であり、原則として休業開始時賃金日額に支給日数と67%を掛けて計算されるため、仕事を休む必要がある場合には勤務先やハローワークへ早めに相談するとよいでしょう。
また、高額介護サービス費や住宅改修費の支給、福祉用具購入費の支給、介護用品の助成などは、家族が介護の対価としてお金を受け取る制度ではありませんが、介護にかかる支出を減らすうえで役立つ可能性があります。
さらに、扶養控除や障害者控除、医療費控除などの税制上の仕組みも条件によって利用できるため、介護費用の領収書や本人の所得状況を整理し、年末調整や確定申告の際に確認することが大切です。
家族の介護に関する経済的な支援を探すときには、現金でもらえる制度だけに絞らず、介護費用を減らす制度や仕事を続けるための支援も含めて確認し、本人と家族が無理なく介護を続けられる方法を選びましょう。

コメント