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高齢者が蓋を開けられないときの対策|オープナーを使って握る力や指先の負担を減らそう!

暮らしの工夫
※イメージとして作成した画像です

高齢者がペットボトルや瓶、調味料などの蓋を開けられなくなると、「今まで普通にできていたのにどうしてだろう」「握力がかなり落ちたのではないか」と本人も家族も心配になることがあります。

蓋を開ける動作には、容器を片手で固定しながら反対の手で蓋を強く握り、滑らないように力を加えて回すという複数の動きが必要になるため、握力や指先の力が少し低下しただけでも難しくなることがあります。

さらに、瓶の蓋は大きくて握れない、ペットボトルのキャップは小さすぎて指に力を入れにくい、食品容器のフィルムはつまむ部分が細いなど、開けられない理由は容器によって異なるため、単純に「もっと力を入れて」と促すだけでは解決できません。

公益財団法人テクノエイド協会の自助具データベースでも、指先が不自由で瓶や缶の蓋を開けにくい人を対象としたオープナーや、弱い力でねじ蓋を回すための自助具などが紹介されており、道具によって必要な力を補う考え方があります。

一方で、以前は問題なく開けられていた人が急に片手だけ使いにくくなった場合や、顔のゆがみ、ろれつの回りにくさ、片側の手足の脱力などを伴う場合には、単なる握力低下として扱わず速やかな対応が必要になるため、いつからどのように開けにくくなったのかも確認することが大切です。

高齢者が蓋を開けられないときの対策

高齢者が蓋を開けられないときには、力任せに何度も回してもらうのではなく、どの種類の蓋が難しいのかを確認し、その蓋に合ったオープナーや滑り止めを使うことが基本です。

ペットボトルのキャップと瓶の大きな蓋では必要な握り方が異なり、フィルムの蓋では回す力ではなく小さなタブをつまむ動作が問題になるため、困っている動作を細かく見る必要があります。

本人の力を完全に使わなくするのではなく、握る範囲を大きくする、滑りにくくする、長い持ち手で回しやすくするなど、苦手になった部分だけを道具で補う方法を考えましょう。

蓋オープナーを使う

ペットボトルや瓶の蓋を握る力が弱くなった高齢者には、蓋へ取り付けて回しやすくするオープナーを使う方法があります。

小さなキャップを指先だけで強くつまんで回す動作は負担が大きい一方、オープナーによって握る部分を大きくしたり長い持ち手を利用したりすると、手全体で力を加えやすくなります。

  • ペットボトル用
  • 瓶の蓋用
  • 複数サイズ対応型
  • ベルト式
  • レバー式
  • 据え置き式

テクノエイド協会の自助具データベースにも、瓶などのねじ蓋を開けるオープナーや、弱い力でねじ蓋を回すことを目的とした自助具が掲載されているため、手の力を補う道具を利用すること自体は特別なことではありません。

ただし、便利そうだからという理由だけで選ぶのではなく、本人がオープナーを蓋へ取り付けられるか、どちらの方向へ回すのか理解できるか、容器を反対の手で固定できるかまで実際に確認しましょう。

滑り止めを使う

蓋をある程度握れるものの、力を入れると手が滑ってしまう高齢者には、ゴムやシリコーンなどの滑り止めを利用すると開けやすくなる場合があります。

蓋を開けるためには握力そのものだけでなく、指と蓋の間に十分な摩擦が必要になるため、表面が滑りやすい蓋では力があっても空回りしてしまうことがあります。

困りごと工夫期待できること
手が滑る滑り止めシート摩擦を増やす
蓋が滑るゴム製グリップ握りやすくする
瓶も動く容器の下も固定空回りを防ぐ
握る面が小さい専用オープナー力を加えやすくする

蓋側だけでなく瓶や容器自体が手の中で動いている場合には、容器の下へ滑り止めマットを敷くなどして両方を安定させると、一方の手で強く容器を握り続ける負担も減らせます。

ただし、手指に強い痛みがある場合は滑り止めで摩擦を増やして無理に回すのではなく、痛みの原因を確認することが優先されます。

ペットボトル用のオープナーを使う

ペットボトルのキャップは小さく、親指や人差し指を中心に細かな力を加えなければならないため、高齢者が特に開けにくさを感じやすい蓋の一つです。

専用オープナーでキャップの外側を覆うと、直接キャップをつまむよりも大きな面積を握れるようになり、手のひらや複数の指を使って回せる場合があります。

  • キャップにはめやすい
  • 大きく握れる
  • 滑りにくい
  • 少ない力で回しやすい
  • 持ち歩きやすい
  • 本人が扱いやすい

外出先でもペットボトル飲料を利用する人であれば、自宅だけに大型の道具を置くより、小型のオープナーをバッグへ入れておくほうが日常生活では便利なことがあります。

一方、キャップを回す以前にペットボトルそのものを片手で保持できない場合には、オープナーだけでは解決しないため、テーブルへ置いた状態で容器を固定する方法も考えましょう。

瓶には大きく握れる道具を使う

ジャムや調味料などの瓶は蓋の直径が大きいため、指を大きく広げにくい高齢者では蓋全体を十分に握れないことがあります。

この場合には、小さなペットボトル用オープナーではなく、複数の直径へ対応するベルト式や、瓶の蓋を広い範囲で固定できるタイプなどが候補になります。

蓋の種類困りやすい動作道具の候補
小型キャップ指先で握るキャップオープナー
大きな瓶蓋手を広げるベルト式など
固いねじ蓋強く回すレバー式など
容器ごと動く反対手で固定滑り止めマット

テクノエイド協会の自助具データベースでも、ベルトを利用した蓋オープナーや瓶のねじ蓋を対象にした自助具が紹介されており、蓋の大きさに合わせて方式を変える考え方があります。

本人が蓋を直接つかめないほど手を広げにくい場合には、無理に指を広げてもらうのではなく、蓋の周囲へ取り付けてから持ち手を動かすタイプなどを検討するとよいでしょう。

フィルムの蓋には専用の道具を使う

ヨーグルトやゼリー、プリンなどの容器では、ねじ蓋を回す力とは異なり、薄いフィルムの小さなタブを指先でつまんで引っ張る力が必要になります。

握力がある人でも指先の細かな動きが難しくなると、タブをつまめなかったり、途中まで剥がしたところで指が離れたりすることがあります。

  • タブをつまめない
  • 指が滑ってしまう
  • 引っ張る力を入れにくい
  • 途中で手を離してしまう
  • 容器を固定できない

テクノエイド協会の自助具データベースでは、指先に力が入りにくい人などを対象に、食品容器のシールカバーを挟み、取っ手を回転させて剥がすシールオープナーの製作事例も紹介されています。

フィルムを開けられない人へ瓶用オープナーを用意しても役立たないため、「蓋が開かない」という言葉だけで判断せず、どの容器のどの動作が難しいのかを確認することが重要です。

容器をテーブルの上で固定する

蓋を回す手には力が残っていても、反対側の手で瓶やペットボトルをしっかり固定できないと、容器ごと回ってしまって蓋を開けられません。

このような場合には容器を空中で握るより、テーブルの上へ置き、滑り止めマットなどを利用して容器を安定させる方法があります。

状態起こること工夫
片手が弱い容器を固定しにくい滑り止めを使う
瓶が滑る容器ごと回る底面を固定する
手が震える保持しにくい安定した台で作業
握り続けられない途中で緩む固定具を検討

テーブルの端など不安定な場所で力を入れると容器を落とす可能性があるため、十分な作業スペースがあり、座った状態でも扱いやすい場所を選びましょう。

瓶がガラス製の場合は落としたときに割れてけがにつながる可能性もあるため、本人の保持能力が低下している場合には特に安定性を重視する必要があります。

開けやすい容器の商品へ替える

毎日使用する牛乳、調味料、飲料、食品などの蓋を開けるたびに家族の手助けが必要になる場合には、道具だけでなく購入する商品の容器を見直す方法もあります。

同じ種類の商品でもキャップの大きさや開閉方式、詰め替えの有無などは異なるため、本人が一人で扱える容器を選ぶと日常生活の小さな負担を減らせます。

  • 大きく握れるキャップ
  • 開閉しやすい形状
  • 軽い容器
  • 持ちやすいサイズ
  • 一度に使い切れる容量
  • 本人が慣れた開閉方式

ただし、蓋が開けやすいという理由だけで食品や飲料を選ぶのではなく、必要な栄養や保存方法など本来の商品選びも考慮する必要があります。

頻繁に使う物だけでも本人が扱いやすい容器へ変更すると、家族が毎回蓋を開けて準備しておく必要が減り、自分でできる生活動作を維持しやすくなります。

無理に力を入れ続けない

蓋が開かないと、本人は何度も強く握って回そうとすることがありますが、手指や手首に痛みがある状態で無理に続けることは避けましょう。

特に関節が痛い人では、握る力を強くすることより、オープナーによって必要な力そのものを小さくするほうが負担を抑えられる場合があります。

困っている状態避けたい対応考える対策
握力が弱い力任せに回すオープナー
手が滑る何度も握り直す滑り止め
指が痛い強くつまむ大きな持ち手
片手が弱い空中で作業容器を固定

「以前はできたから」と本人へ何度も挑戦してもらうことが、自立を守ることになるとは限りません。

必要な道具を利用しながら本人が自分で最後まで開けられるのであれば、その方法も立派な自立した生活動作として考えましょう。

蓋を開けられない原因を確認すると対策を選びやすい

高齢者が蓋を開けられなくなった原因を考えるときには、「握力が落ちた」の一言だけで済ませず、握る、つまむ、ひねる、反対の手で固定するという一連の動作を確認することが重要です。

加齢に伴って筋力が低下することはありますが、手指の痛みや関節の動かしにくさ、しびれなどによって力を十分に発揮できなくなる場合もあります。

どの容器なら開けられて、どの容器では開けられないのかを比べると、本人が苦手としている動作を見つけやすくなります。

握る力が弱くなっている

ペットボトルのキャップを開けるためには、蓋を滑らない程度に強く握った状態を保ちながら回転させる必要があるため、握力の低下は開けにくさへ影響します。

厚生労働省が公開している高齢者のフレイルに関する資料でも、握力の低下は身体的フレイルを評価する項目の一つとして扱われています。

  • 瓶の蓋を開けにくい
  • 重い物を持ちにくい
  • 買い物袋を持ちにくい
  • タオルを絞りにくい
  • 物を落とすことが増えた
  • 以前より疲れやすい

ただし、蓋を開けられないという一つの出来事だけでフレイルと判断できるわけではなく、体重減少や活動量、歩行などを含めて身体状態を考える必要があります。

蓋以外にも日常生活で力の低下が目立ってきた場合には、かかりつけ医などへ相談し、必要に応じて身体機能について確認してもらいましょう。

指先の力を入れにくい

握力が比較的保たれていても、親指と人差し指で小さな物をつまむ動作が難しくなると、ペットボトルのキャップや食品容器のフィルムなどを扱いにくくなります。

特にフィルムの小さなタブをつまむ動作では、指先を正確な位置へ合わせたうえで滑らないようにつまみ続ける必要があります。

できない動作考えられる困りごと工夫
小さくつまむ指先操作持ち手を大きくする
強く握る握力オープナー
ひねる手首の動作レバー式など
固定する反対手の力滑り止め

このタイプでは握力を鍛えるだけで問題が解決するとは限らず、細かなつまみ動作を不要にする自助具のほうが実際の生活では役立つ場合があります。

箸、ボタン、硬貨などほかの細かな物も急に扱いにくくなった場合には、その変化について医療機関へ相談することも検討しましょう。

手や指の痛みが影響している

高齢者が「力が入らない」と表現していても、実際には手指や手首へ力を加えると痛むため、無意識に力を抑えている場合があります。

瓶の蓋を強く握る動作では指の関節へ力が加わり、さらに手首をひねる必要があるため、痛みがある人には負担の大きな動作です。

  • 握ると指が痛い
  • 手首をひねると痛い
  • 指が腫れている
  • 関節が動かしにくい
  • 朝にこわばりがある
  • 物を持つと痛む

痛みを我慢しながら何度も開ける練習をするより、オープナーや滑り止めを使って必要な力を減らすほうが日常生活の負担を抑えられる場合があります。

痛みや腫れが続いている場合や日常生活へ影響している場合には、原因を自己判断せず医療機関へ相談しましょう。

蓋の種類によって開けやすい道具は変わる

一口に蓋といっても、ペットボトルの小さなキャップ、ジャム瓶の大きな金属蓋、調味料のプラスチック蓋、食品容器のフィルムなど構造は大きく異なります。

高齢者用として販売されているオープナーでも、すべての蓋へ同じように使用できるとは限らないため、本人が日常的に開けられず困っている容器を確認してから選ぶことが大切です。

道具を増やしすぎるとかえって使い分けが難しくなるため、頻繁に使う容器を優先して少ない道具で対応できる方法を探しましょう。

ペットボトルは小さな力を補う

ペットボトルでは蓋の直径が小さいため、手のひら全体よりも指を中心として力を加えることになり、指先の力が低下すると開けにくくなります。

キャップの外側へ装着する専用オープナーを使えば、握る部分の直径を大きくしたり、持ち手を利用して回したりできる場合があります。

  • キャップへ装着しやすい
  • 握る部分が大きい
  • 滑りにくい
  • 回す方向がわかりやすい
  • 軽くて扱いやすい
  • 携帯できる

毎回家族が最初だけ緩めておく方法もありますが、外出先では対応できず、開封済みの飲料を長時間保管する問題も生じるため、本人が使える道具を持っておくほうが便利な場合があります。

本人がオープナーを取り付けること自体に苦労する場合には、より単純な構造の製品を選ぶなど操作手順も確認しましょう。

瓶は容器側の固定も重要になる

瓶の蓋は大きく、固く閉まっている場合にはかなりの力が必要になるため、蓋を回す手だけでなく瓶を固定する側の手にも負担がかかります。

両手の力が低下している人では、片方の手へオープナーを使っても瓶自体が動いてしまい、結局開けられないことがあります。

問題蓋側の対策容器側の対策
滑るゴムグリップ滑り止めマット
大きく握れないベルト式台上で固定
回す力が弱いレバー式安定した場所へ置く
片手が弱い適した自助具固定具を検討

瓶を膝の上へ置いて無理に力を入れたり、不安定なテーブルの端で開けたりすると落下する危険があるため、平らで十分な広さのある場所を利用しましょう。

本人の片手がほとんど使えない場合には一般的な両手用オープナーだけでは難しいため、作業療法士などへ片手でできる方法や自助具について相談する方法もあります。

シール蓋はつまむ動作を減らす

食品容器のフィルムやシールは小さなタブをつまむ必要があり、指先の感覚や細かな動きが低下した人には意外に難しい作業です。

テクノエイド協会が紹介しているシールオープナーのように、タブを道具で挟み、取っ手を回転させることで剥がす仕組みなら、指先だけでつまみ続ける必要を減らせます。

  • タブを見つけられるか
  • 道具で挟めるか
  • 持ち手を握れるか
  • 容器を固定できるか
  • 操作手順を理解できるか

視力が低下している人では透明なフィルムのタブそのものを見つけにくい場合もあるため、指の力だけでなく見え方も確認しましょう。

家族が食品を選ぶ場合には、本人が日常的に食べる物ほど、購入前に容器の開け方まで確認しておくと自分で食事を準備しやすくなります。

蓋を開けられなくなったら手以外の変化も確認する

蓋を開けにくくなることは年齢とともに起こり得ますが、生活全体の筋力や身体機能の変化に気づくきっかけになる場合もあります。

厚生労働省の資料では身体的フレイルの評価に握力の低下が含まれており、握力だけではなく体重減少、疲労感、身体活動や歩行など複数の側面から高齢者の状態を見る考え方が示されています。

蓋だけに注目するのではなく、買い物袋を持つ、立ち上がる、歩く、着替えるなどほかの日常生活にも変化が出ていないか確認しましょう。

日常生活で握る動作を確認する

蓋を開けられなくなったときには、タオルを絞る、ドアノブを回す、調理器具を持つなど、ほかの手を使う動作も以前より難しくなっていないか確認しましょう。

複数の動作で力の低下を感じている場合には、特定の容器だけが固いという問題ではなく、身体機能が変化している可能性も考えられます。

  • タオルを絞る
  • ドアノブを回す
  • 袋を持つ
  • 食器を持つ
  • 箸を使う
  • 衣類のボタンを扱う

できなくなったことを本人へ次々と指摘すると自信を失わせる可能性があるため、日常生活の中で自然に確認し、困っていることを聞くようにしましょう。

一つの道具を導入するだけで複数の生活動作が楽になることもあるため、必要に応じて作業療法士などへ生活全体の自助具について相談する方法があります。

歩行や立ち上がりの変化も見る

握力の低下だけでなく、歩く速度が遅くなった、椅子から立ち上がりにくくなった、外出する機会が減ったなどの変化が重なっている場合には、身体機能全体を確認することが重要です。

厚生労働省が示すフレイルに関する資料でも、筋力の指標となる握力だけではなく、歩行速度や身体活動などが評価の要素に含まれています。

変化確認すること相談の考え方
蓋が開かない握力や手の痛み変化を観察
立ちにくい下肢の状態専門職へ相談
歩行が遅い身体機能状態を確認
活動量が減った生活全体原因を確認
体重が減った食事や体調医療機関へ相談

「年齢が高くなったから仕方がない」とすべてを加齢で片付けてしまうと、生活機能の変化に気づく機会を逃す可能性があります。

複数の生活動作が徐々に難しくなっている場合には、かかりつけ医や地域包括支援センターなどへ現在の状態について相談しましょう。

食事への影響も確認する

高齢者が食品の蓋を開けられなくなると、単に不便になるだけでなく、自分で食べられる食品が限られてしまうことがあります。

例えば牛乳や飲料のキャップを開けられない、ヨーグルトのフィルムを剥がせない、瓶詰めの食品を開けられない状態が続けば、食べたい物があっても諦めることにつながります。

  • 食事量が減っていないか
  • 飲料を開けられるか
  • 食品包装を扱えるか
  • 調味料を使用できるか
  • 家族がいないと食べられない物がないか
  • 体重が減っていないか

特に一人暮らしの高齢者では、家族が訪問したときだけ蓋を開けてあげる方法では、普段の食生活で困っていることに気づけない可能性があります。

本人が一人で開けられる食品を増やすことや自助具を使える環境を整えることは、食事の自立を維持するという意味でも重要です。

突然蓋を開けられなくなった場合は急な異変に注意する

以前から少しずつ握る力が弱くなっていた場合と、昨日まで問題なくできていたのに突然片手へ力が入らなくなった場合では、対応を分けて考える必要があります。

厚生労働省では、突然片方の腕や足に力が入らなくなる、顔の片側が動きにくい、ろれつが回りにくいなどの症状について、脳卒中を疑って速やかに救急車を呼ぶべき症状として案内しています。

「ペットボトルの蓋が開かない」という小さな変化だけを見るのではなく、急に起きたのか、左右差があるのか、言葉や顔などほかにも異変がないかを確認することが重要です。

片手だけ急に力が入らない場合

右手でも左手でも開けられない状態が何か月も続いている場合とは異なり、片手だけ急に力が入らなくなった場合には注意が必要です。

厚生労働省の救急に関する情報では、突然片方の腕や足に力が入らなくなることは、迷わず119番通報を検討すべき症状として挙げられています。

  • 片手だけ急に弱くなった
  • 片腕を上げにくい
  • 片側にしびれがある
  • 物を急に落とす
  • 歩き方にも異変がある
  • 症状が突然始まった

脳卒中では片側の手足の麻痺や感覚障害などが代表的な症状となるため、突然の変化を「今日は握力が弱いだけ」と考えて長時間様子を見ることは避ける必要があります。

特にほかの脳卒中を疑う症状を伴う場合には、蓋を開けられるか何度も試すのではなく速やかな救急対応につなげましょう。

顔や言葉にも異変がある場合

蓋を持つ手へ突然力が入らなくなったうえに、顔の片側がゆがんでいる、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった症状がある場合には緊急性が高くなります。

厚生労働省は脳卒中について、顔の片側のゆがみ、片側の腕や手に力が入らない、ろれつが回らないなどの症状が一つでも突然起こった場合には脳卒中を疑い、すぐ救急車を呼ぶよう案内しています。

確認する部分気になる症状対応
顔片側がゆがむ救急要請を検討
腕片腕が上がらない救急要請を検討
言葉ろれつが回らない救急要請を検討
意識反応がおかしい速やかに対応
頭突然の激しい頭痛速やかに対応

一度症状が軽くなった場合でも安心できるとは限らないため、突然起きた神経症状を自己判断で放置しないことが重要です。

日頃から家族もこうしたサインを知っておけば、「蓋を開けられない」という日常の変化から急な身体異常へ気づける可能性があります。

徐々に力が落ちている場合も相談する

緊急性の高い突然の変化ではなくても、半年ほど前から徐々に蓋を開けられなくなり、最近では買い物袋や食器なども持ちにくくなったという場合には身体機能を確認することが大切です。

厚生労働省のフレイルに関する資料では、握力低下を含む筋力の変化が高齢者の身体機能を考えるうえで重要な要素として扱われています。

  • 握力が徐々に弱くなった
  • 歩く速度も落ちた
  • 外出する機会が減った
  • 疲れやすくなった
  • 体重が減っている
  • 日常生活でできないことが増えた

蓋を開けるための道具を導入することと、身体機能の変化を確認することはどちらか一方だけを選ぶものではなく、生活を楽にしながら必要な相談も行うことができます。

複数の日常動作へ影響が出ている場合には、かかりつけ医や地域包括支援センターなどへ相談し、必要に応じて運動や栄養、生活支援なども含めて考えましょう。

道具で負担を減らし自分でできる生活を続けよう

高齢者が蓋を開けられないときには、本人へもっと強く握ってもらうのではなく、ペットボトルなのか瓶なのか、フィルムなのかを確認し、握る、つまむ、ひねる、容器を固定するといった一連の動作のどこで困っているのかを見つけることが大切です。

小さなキャップなら握る部分を大きくするオープナー、大きな瓶の蓋ならベルト式など幅広いサイズへ対応する道具、手が滑る場合ならゴムやシリコーンなどの滑り止め、容器自体を保持できない場合ならテーブル上で固定する方法というように、困りごとに合わせれば少ない力でも開けられる可能性があります。

また、ヨーグルトやゼリーなどのフィルムは瓶の蓋とは必要な動作が異なるため、指先でタブをつまむことが難しい場合にはシールを挟んで剥がす自助具などを検討し、頻繁に使用する食品では本人が扱いやすい容器の商品へ変更する方法もあります。

家族がすべての蓋を代わりに開けることは簡単ですが、適切な道具があれば本人だけでできる場合には、その力を生かせる環境を整えることも重要であり、必要に応じて作業療法士などへ自助具や生活動作について相談するとよいでしょう。

一方、蓋だけでなく買い物袋を持つ、タオルを絞る、歩く、立ち上がるなど複数の日常動作が徐々に難しくなっている場合には、単なる容器の問題として済ませず、身体機能の変化についてかかりつけ医などへ相談することも検討してください。

特に昨日まで開けられていた蓋を突然開けられなくなり、片側の手足に力が入らない、顔の片側がゆがむ、ろれつが回らないなどの症状が現れた場合には、通常の握力低下とは分けて考え、脳卒中などの可能性を踏まえて速やかな救急対応につなげることが重要です。

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