高齢の親を病院や買い物へ車で送迎するとき、助手席に座るまで時間がかかったり、車から降りる際にふらついたりする姿を見ると、乗り降りを助けるグッズが必要ではないかと感じることがあります。
特に膝や腰に痛みがある人、足を高く持ち上げにくい人、立ち上がるときに手で身体を支える必要がある人にとって、車の乗降動作は想像以上に負担が大きく、車種や座席の高さによっても難しさが変わります。
高齢者の車の乗り降りを補助するグッズには、手でつかまるアシストグリップ、身体の向きを変えやすくする回転クッション、車高の高い車向けの乗降ステップ、シート自体が回転する装置など、さまざまな種類があります。
しかし、便利そうな商品を購入しても、車に取り付けられなかったり、本人の筋力では安全に使えなかったりする場合があり、特に後付けの取っ手や踏み台は固定方法を誤ると転倒につながるおそれがあります。
また、乗り降りが難しい理由が膝の痛みなのか、立ち上がる力の不足なのか、身体をひねりにくいことなのかによって、適した補助用品は異なるため、単に人気のあるグッズを選ぶだけでは十分ではありません。
ここでは、高齢者の車の乗り降りを助けるおすすめグッズ8選を具体的に紹介し、それぞれの特徴や向いている人、購入前の確認事項、安全な乗降手順、介助する家族の注意点まで詳しく整理します。
高齢者の車の乗り降りを助けるグッズおすすめ8選
高齢者の乗降補助用品を選ぶ際には、まず本人がどの動作に困っているのかを確認し、その問題を直接軽減できるグッズから比較することが重要です。
立ち上がる際に支えが欲しい人にはグリップ、座席に座った後で足を車内へ入れにくい人には回転クッション、車の床が高くて足が届きにくい人には乗降ステップなど、目的によって候補が変わります。
ここではトヨタやSUBARU、Hondaなどが公式に案内している実在の用品や車両装備を中心に、手軽に取り入れられるものから車両側の対応が必要なものまで8種類を紹介します。
車種や年式、グレードによって取り付けの可否が異なるため、購入前には必ず車両メーカーや販売店へ適合を確認してください。
トヨタ アシストグリップ(ヘッドレスト取付タイプ)
トヨタのサポトヨプラスで案内されている「アシストグリップ(ヘッドレスト取付タイプ)」は、車への乗り降りで身体を支える場所が欲しい人に向けた補助用品です。
助手席のヘッドレスト部分へ取り付ける構造で、乗降時に手で身体を支えやすくすることに加え、乗車中に上体が不安定になりそうな場面でも支えとして使えることがメーカーから案内されています。
例えば、助手席に腰を下ろす際に身体が後ろへ倒れそうになる高齢者や、立ち上がる際に手を置く位置が分からず困っている人には、握る場所が明確になることが利点です。
ただし、握る場所があれば誰でも安全に立ち上がれるわけではなく、本人が自分の体重を支える力を持っているか、グリップに手が届くかを確認する必要があります。
また、トヨタはシート位置によってグリップと座席が干渉する場合があることも注意事項として案内しているため、取り付け後はシートの前後移動や背もたれの操作に問題がないか確認しましょう。
商品情報はトヨタのサポトヨプラス公式ページで確認できるため、対応車種や取り付け条件を販売店へ相談してから導入することが大切です。
トヨタ 助手席アシストグリップ
トヨタの「助手席アシストグリップ」は、助手席のカップホルダー部分に取り付ける乗降補助用品で、車に乗る際や降りる際に手で身体を支えたい人に向いています。
一般的な車ではドアの内側や座席の縁をつかもうとしても、握りやすい形状になっていない場合がありますが、専用のグリップを設けることで支える位置が分かりやすくなります。
例えば、助手席から立ち上がるときに身体を前へ移動させる動作が難しい人や、車のドアを支え代わりに使おうとする人には、専用の補助用品を検討する価値があります。
ただし、この商品は助手席のカップホルダー部分を利用する構造なので、すべての車へ取り付けられるわけではなく、対応車種や取り付け方法を確認する必要があります。
また、車のドアや不安定な部品を支えにする習慣がある場合には、グリップを設置した後も本人が正しい位置を握れるよう、停車した状態で練習しておくと安心です。
トヨタ公式サイトでは商品構造や取り付け位置が案内されているため、車両との適合だけでなく、本人が無理なく手を伸ばせる位置かどうかも確認しましょう。
トヨタ 回転クッション
トヨタのサポトヨプラスで紹介されている「回転クッション」は、座席の上に置いて身体の向きを変えやすくする補助用品で、車内へ両足を入れる動作に苦労している高齢者に向いています。
車へ乗るときは、まず座席へ腰を下ろし、その後に身体の向きを変えながら両足を車内へ入れることがありますが、腰や股関節の動きが制限されている人にとって、この回転動作が大きな負担になる場合があります。
例えば、座席へ座ることはできても、その後に足を車内へ入れる際に何度も座り直している人や、腰をひねると痛みが出る人には、回転クッションが動作を助ける可能性があります。
一方、クッションの上で身体が動きやすくなることは、姿勢が不安定な人にとって滑りやすさにつながる場合もあるため、本人が安定して座れるかを確認することが重要です。
また、クッションを使用すると座面の高さやシートベルトの位置関係が変わることがあるため、車両の安全装置や座席との適合を確認し、走行中に不適切な姿勢にならないよう注意しましょう。
トヨタは助手席や一部のセカンドシートでの使用を案内していますが、実際に使用できる座席は車種によって異なるため、購入前に販売店へ相談してください。
トヨタ ターンチルトシート
トヨタの「ターンチルトシート」は、助手席を手動で回転させ、さらに前方へ傾けることで、車への乗り降りをしやすくするための車両装備です。
一般的な後付けグッズとは異なり、座席そのものの動きを変える仕組みなので、身体を大きくひねらずに乗り降りしたい人や、座席への移動に時間がかかる人にとって検討する価値があります。
例えば、膝や股関節の動きが悪く、通常の助手席では足を車内へ入れる動作が難しい高齢者には、シートが外側へ向きを変える構造が役立つ可能性があります。
ただし、車種やグレードによって設定の有無が異なり、一般的な回転クッションのように自由に持ち運べる用品ではないため、車両の購入や仕様選択を含めた検討が必要です。
また、シートが回転する仕組みがあっても、立ち上がりや着座に必要な筋力が不足している場合には介助が必要になることがあるため、本人の身体状況に合っているか確認しましょう。
車の買い替えを考えている家庭では、後付け用品だけで対処するのではなく、トヨタ公式サイトで車両装備を確認し、実車で乗降動作を試すことをおすすめします。
SUBARU アシストグリップ
SUBARUが福祉利用向けアクセサリーとして案内している「アシストグリップ」は、後席への乗り降りや走行中の姿勢保持を補助するための用品です。
メーカー公式サイトでは、乗降時やカーブ走行時など、身体が不安定になりやすい場面でのサポートを目的とした用品として紹介されています。
例えば、高齢の親を後部座席に乗せることが多い家庭では、助手席用の補助用品だけを探すのではなく、後席に対応したグリップを検討することで、実際の利用状況に合った対策を考えられます。
ただし、後席の乗降ではドアの開口部や前席との距離、足を置ける場所などが車種によって大きく異なるため、グリップの有無だけで乗りやすさを判断しないことが重要です。
また、取り付け位置によっては本人が手を伸ばしにくい場合もあるため、実際に座った状態で握れるか、降車時に自然な姿勢で使えるかを確認しましょう。
対応車種や装着条件はSUBARU公式サイトで確認できるため、後席を使う高齢者の乗降負担を減らしたい場合には、販売店へ具体的な利用場面を伝えて相談するとよいでしょう。
トヨタ 乗降口ハンドレール
トヨタの「乗降口ハンドレール」は、車高の高い車両へ乗り降りする際に、身体を支える場所を確保するための補助用品です。
メーカーの案内ではハイエースのワゴンやコミューター向けの用品として紹介されており、一般的な乗用車とは異なる乗降口の高さに対応することを目的としています。
例えば、介護施設の送迎や家族での移動に背の高い車を使っている場合には、乗降時に手で身体を支える位置があることで、足を上げ下げする動作を補助できる可能性があります。
ただし、ハンドレールを握ることができても、片足で身体を支える力が不足している人や、車のステップへ足を持ち上げられない人では、別の乗降方法が必要になる場合があります。
また、ハンドレールの取り付けは車両の構造に関係するため、一般的な家庭用品を代用したり、適合が確認できない部品を自己判断で取り付けたりすることは避けましょう。
高い車への乗降が難しい場合には、ハンドレールだけでなく、純正ステップや福祉車両の装備も比較し、本人の身体に合った方法を選ぶことが大切です。
Honda 助手席回転シート
Hondaの助手席回転シートは、車の助手席をドア側へ回転させることで、身体を大きくひねらずに乗り降りしやすくするための福祉車両装備です。
Hondaの公式案内では、助手席を外側へ回転させ、乗る人が座ってから足を乗せ、座席を車内へ戻す操作手順が紹介されています。
例えば、腰や股関節の動きが悪く、通常の座席では足を車内へ入れるのに時間がかかる高齢者には、座席自体が回転する構造が役立つ場合があります。
また、介助する家族にとっても、本人が無理に身体をひねる動作を減らせる可能性があるため、送迎の機会が多い家庭では検討したい装備です。
ただし、Hondaも身体の状態によっては乗降が困難な場合や利用できない場合があることを案内しており、回転シートがあれば必ず一人で乗り降りできるわけではありません。
購入や利用を考える際には、Honda公式サイトの操作手順を確認し、実際の車両で本人が無理なく乗り降りできるかを試すことが重要です。
車いす対応のスロープ・リフト
車いす対応のスロープやリフトは、通常の座席へ移ることが難しい高齢者が、車いすを利用したまま車へ乗り込むための装備です。
一般的な乗降補助グッズとは異なり、車両そのものに専用の構造が必要になることが多いため、福祉車両の購入や介護タクシーの利用を含めて検討する方法になります。
例えば、立ち上がりが難しい人や、車いすから座席へ移る際に家族が身体を持ち上げる必要がある人には、無理な移乗を続けるより、車いすのまま乗車できる車両が適している場合があります。
JAFでも、福祉車両には回転シート車、昇降シート車、スロープやリフトを備えた車両などがあることが紹介されており、身体状況に応じた選択が重要とされています。
ただし、車いす対応車両を利用する際には、車いすの寸法や重量、固定方法、乗車姿勢、シートベルトの使用条件などを確認する必要があります。
一般的な乗用車での移乗が難しくなっている場合には、JAFの福祉車両に関する案内なども参考にしながら、福祉車両や介護タクシーの利用を検討しましょう。
乗り降りの困りごとに合わせて選ぶ
高齢者向けの乗降補助グッズを選ぶときには、商品が便利そうかどうかよりも、本人がどの動作に困っているかを具体的に確認することが大切です。
例えば、立ち上がる際に力が入らない人と、座った後に足を車内へ入れられない人では、必要な補助用品が異なり、同じグリップやクッションを使っても効果を感じられない場合があります。
また、車の高さやドアの開き方によっても乗降動作は変わるため、普段使う車で実際の動きを確認し、困っている部分に合った用品を選ぶことが重要です。
立ち上がりが難しい場合
車の座席から立ち上がる際に力が入らない高齢者には、手で身体を支えられるグリップや、乗降動作を補助する車両装備が候補になります。
特に膝の痛みや下肢の筋力低下がある人では、座席から腰を浮かせる瞬間に負担が集中するため、手を置く位置を確保することが役立つ場合があります。
例えば、車から降りる際にドアをつかんで立ち上がろうとする人には、ドアが動くことでバランスを崩す危険があるため、専用のグリップを検討することが大切です。
- 手で身体を支えたい
- 膝に痛みがある
- 座席から腰を浮かせにくい
- 立ち上がるとふらつく
- ドアを支えにしている
ただし、グリップを使っても本人が体重を支えられない場合には、無理に立たせようとせず、介助方法や車両の変更を検討する必要があります。
立ち上がりの不安定さが強い人は、理学療法士や作業療法士などへ相談し、身体状況に合った方法を確認しましょう。
身体をひねりにくい場合
腰や股関節の痛みがあり、車の座席に座った後で身体を回すことが難しい高齢者には、回転クッションや回転シートが候補になります。
通常の車では、座席に腰を下ろしてから両足を車内へ入れるために身体の向きを変える必要がありますが、この動作は腰や股関節に負担がかかる場合があります。
例えば、座席へ座ることはできても足を車内へ入れる際に何度も座り直している人には、回転を補助する用品が役立つ可能性があります。
| 困りごと | 候補となる用品 |
|---|---|
| 身体を回しにくい | 回転クッション |
| 腰をひねると痛い | 回転シート |
| 足を車内へ入れにくい | 回転補助用品 |
| 座る位置が不安定 | 車両装備の見直し |
ただし、回転クッションは座面が動くことによって姿勢が不安定になる場合があるため、本人が安定して座れるか、シートベルトを正しく使用できるかを確認することが重要です。
また、腰や股関節に手術歴がある人や、身体の動きに制限がある人は、自己判断で回転動作を増やさず、医師やリハビリの専門職へ相談しましょう。
車の床が高い場合
ミニバンやワンボックスカーなど、車の床が高い車種では、足を大きく持ち上げる必要があるため、高齢者にとって乗り降りが難しくなる場合があります。
特に膝や股関節の動きが悪い人や、片足で身体を支える力が弱い人では、車内のステップへ足を乗せる動作が大きな負担になることがあります。
例えば、家族が使っている車が高く、乗るたびに本人が足を持ち上げられず困っている場合には、車種に対応した乗降ステップやハンドレールなどを検討する方法があります。
- 床の高さを確認する
- 足を上げる力を確認する
- 乗降口の広さを確認する
- 純正ステップを検討する
- 低床車への変更も考える
ただし、家庭用の踏み台を車の横に置いて使う方法は、台が滑ったり倒れたりする可能性があるため、安易に代用しないことが大切です。
車高が原因で乗り降りが難しい場合には、用品を追加するだけでなく、低床の車や福祉車両を利用することも選択肢として考えましょう。
購入前に確認したい安全性
高齢者の車の乗り降りを助けるグッズは、身体を支えたり動きを補助したりする用品なので、通常のカーアクセサリー以上に安全性の確認が重要です。
特に後付けのグリップやステップは、取り付け位置や固定方法が適切でないと、使用中に外れたり動いたりして転倒につながる可能性があります。
また、クッションや補助用品によってシートベルトやエアバッグの働きに影響が出ることも考えられるため、車両との適合を確認せずに使わないようにしましょう。
車種への適合
乗降補助グッズを購入する前には、車種、年式、グレード、座席の形状などを確認し、取り付けや使用が認められているかを調べる必要があります。
例えばヘッドレストへ取り付けるグリップは、ヘッドレストの支柱の形状や位置によって装着できない場合があり、カップホルダーへ取り付ける用品も車種によって構造が異なります。
また、座席へ置く回転クッションは、座面の形状やシートベルトの位置によって使いにくくなる場合があるため、汎用品であっても適合を確認することが大切です。
- 車種を確認する
- 年式を確認する
- グレードを確認する
- 座席の形状を確認する
- メーカーの適合情報を見る
特に車両の安全装置に関わる部分へ取り付ける用品は、自己判断で加工せず、販売店やメーカーへ相談することが重要です。
また、購入した商品が取り付けられたとしても、安全に使えることとは別なので、使用前には本人の動作や車内のスペースを確認しましょう。
耐荷重と固定方法
身体を支えるためのグリップや乗降ステップでは、耐荷重と固定方法を確認することが重要です。
高齢者が立ち上がる際には、手や足へ瞬間的に大きな力がかかる場合があるため、見た目が丈夫そうな商品でも、用途に合った強度が確保されているか確認する必要があります。
例えば、持ち運びできる簡易的な取っ手を車のドア部分へ差し込んで使う商品では、車両側の構造や製品の適合条件を確認しないと、安定した支えにならない可能性があります。
| 確認項目 | 注意点 |
|---|---|
| 耐荷重 | 製品の表示を確認 |
| 固定方法 | 指定の方法を守る |
| 取り付け位置 | 車両との適合を確認 |
| 使用姿勢 | 無理な体勢を避ける |
| 部品の状態 | 緩みや破損を確認 |
また、取り付け後に少し動かしただけでぐらつく場合や、使用中に異音がする場合には、使用を中止して原因を確認しましょう。
本人が全体重を預ける可能性がある用品については、メーカーが想定する使用方法を超えないよう注意し、必要に応じて専門職の助言を受けることが大切です。
シートベルトへの影響
車内で使う回転クッションや補助用品を選ぶ際には、シートベルトが正しい位置で装着できるかを確認することが重要です。
座面にクッションを追加すると、座る高さや身体の位置が変わる場合があり、腰ベルトが腹部へずれたり、肩ベルトが首元へ当たりやすくなったりする可能性があります。
例えば回転クッションを使ったことで座りやすくなっても、シートベルトが適切に身体へ沿わなくなった場合には、安全性の面から使用を見直す必要があります。
- 腰ベルトの位置
- 肩ベルトの位置
- バックルの操作
- 座席の安定性
- エアバッグへの影響
また、車内の補助用品がシートベルトのバックルやエアバッグの作動範囲に干渉しないかも確認する必要があります。
車両メーカーが認めていない取り付けや改造は避け、装着方法に不安がある場合には販売店へ相談しましょう。
安全に乗り降りするための介助方法
高齢者の車の乗り降りを助けるには、便利なグッズを用意することに加え、本人の身体状況に合った動作の順番を考えることが重要です。
特に乗車時には、急いで足を車内へ入れようとするとバランスを崩すことがあり、降車時には立ち上がった瞬間にふらつく場合があります。
また、介助する家族が本人の腕を強く引っ張ったり、無理に身体を持ち上げたりすると、本人だけでなく介助者もけがをする可能性があるため、安全な姿勢を保ちながらゆっくり動作することが大切です。
乗車時は座る動作を優先する
車へ乗るときには、まず安全に座席へ腰を下ろせるかを確認し、その後に身体の向きを変えて足を車内へ入れる方法が役立つ場合があります。
特に膝や股関節の動きが悪い人では、立ったまま片足を大きく持ち上げようとするとバランスを崩す可能性があるため、本人が安定して座れる位置を確保することが重要です。
例えば助手席へ乗る場合には、ドアを十分に開け、本人が座席の位置を確認してからゆっくり腰を下ろし、必要に応じて回転クッションなどを使って身体の向きを変える方法が考えられます。
- 安全な場所に停車する
- ドアを十分に開ける
- 座席の位置を確認する
- ゆっくり腰を下ろす
- 足を無理なく車内へ入れる
ただし、座る際に身体を支える力が不足している場合には、本人だけで動作を続けず、適切な介助方法を確認する必要があります。
また、回転クッションやグリップを使用する場合には、車が完全に停車していることを確認し、本人が慌てずに動ける時間を確保しましょう。
降車時は足元を確認する
車から降りるときには、足を地面へ下ろす位置や周囲の段差を確認し、立ち上がる前に身体の向きを整えることが大切です。
特に車高の高い車では、地面までの距離が大きくなるため、足を下ろした際に身体が前へ傾いたり、片足へ負担が集中したりする場合があります。
例えば病院の駐車場で降りる際には、車の横に十分なスペースがあるか、地面が平らか、雨で滑りやすくなっていないかなどを確認するとよいでしょう。
| 確認する場所 | 注意点 |
|---|---|
| 地面 | 段差や傾斜 |
| 足元 | 滑りやすさ |
| ドア周辺 | 十分なスペース |
| グリップ | 固定状態 |
| 本人の姿勢 | 立ち上がる前の安定 |
また、立ち上がった直後にめまいやふらつきがある場合には、そのまま歩き始めず、安全な場所で身体の状態を確認する必要があります。
転倒の危険が高い人や、降車後に立位を保てない人は、一般的な補助グッズだけで対応せず、専門職へ相談しましょう。
家族は無理に引っ張らない
高齢者の乗り降りを介助するときには、本人の腕を強く引っ張ったり、脇の下だけを持って身体を持ち上げたりしないことが重要です。
高齢者は肩や腕の関節に痛みがある場合も多く、無理な力を加えると関節や皮膚を傷める可能性があるため、本人が自分でできる動作を確認しながら支援する必要があります。
例えば、立ち上がる際に少しだけ支えが必要な人と、ほとんど自分で身体を支えられない人では、適切な介助方法が大きく異なります。
- 本人の動きを待つ
- 腕を強く引っ張らない
- 無理に抱え上げない
- 声をかけて動作を合わせる
- 必要なら専門職へ相談する
また、介助する家族が腰を痛めることもあるため、身体を抱え上げる必要がある場合には、移乗方法や福祉車両の利用について専門職へ相談することが大切です。
本人が安心して乗り降りできることと、家族が無理なく介助できることの両方を考え、必要に応じて介護タクシーや福祉車両を利用する方法も検討しましょう。
車の乗り降りは本人の身体に合った方法を選ぼう
高齢者の車の乗り降りを助けるグッズには、手で身体を支えるアシストグリップ、座席で身体の向きを変えやすくする回転クッション、車高の高い車向けのハンドレール、座席自体が回転するシートなど、さまざまな種類があります。
立ち上がる際に支えが必要な人にはグリップ、身体をひねる動作が難しい人には回転クッションや回転シート、車の床が高くて足を持ち上げにくい人には乗降ステップや低床車など、困っている動作に合わせて選ぶことが重要です。
ただし、便利な補助用品であっても、車種や年式、座席の形状によって取り付けられない場合があり、耐荷重や固定方法、シートベルトへの影響などを確認せずに使用すると、転倒やけがにつながる可能性があります。
また、本人が自分の体重を支えられない場合や、車いすから座席へ移ることが難しい場合には、一般的なグッズだけで対応するのではなく、福祉車両や介護タクシーなどを利用する方法も考える必要があります。
家族が介助するときには、本人の腕を無理に引っ張ったり、身体を強く持ち上げたりせず、本人ができる動作を尊重しながら、安全な姿勢でゆっくり乗り降りすることが大切です。
車の乗り降りが難しくなったと感じたら、まず本人がどの動作に困っているのかを確認し、車両メーカーや販売店、必要に応じてリハビリの専門職へ相談しながら、安心して外出を続けられる方法を選びましょう。


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