高齢者がゴミ袋を結べないときの対策|袋や結び方を変えてごみ出しの負担を減らそう!

暮らしの工夫
※イメージとして作成した画像です

高齢者がゴミ袋を結べないようになると、ごみを袋へ入れるところまでは自分でできても、最後の口を閉じられず家族を呼ばなければならないなど、日常生活で小さな困りごとが増えていきます。

ゴミ袋を結ぶ動作は簡単に見えますが、実際には薄い袋の端を指先でつまみ、左右へ引っ張り、持ち替えながら輪を作り、最後に力を加えて締めるという細かな手指の操作が必要なので、握力が弱くなった人や指を動かしにくい人には負担の大きな作業です。

厚生労働省の高齢者の生活行為向上に関する資料でも、手の力が弱い場合や指先の細かな動きが難しい場合には、生活用具の選び方を変えたり、自助具によって必要な力を補ったりするという考え方が示されているため、本人へ従来と同じ結び方を無理に続けてもらう必要はありません。

袋を小さくして一袋を軽くする、持ち手付きの袋を使う、袋の口をいっぱいまで広げず結ぶ部分を残しておく、ゴミ箱の高さを見直すなど、わずかな工夫だけでも本人が一人で処理しやすくなる場合があります。

ここでは、高齢者がゴミ袋を結べないときに試したい具体的な対策から、結びにくくなる原因、ゴミ箱や袋を選ぶポイント、ごみ出しそのものが難しくなった場合に利用できる支援まで、本人のできることを残しながら負担を減らす方法を紹介します。

高齢者がゴミ袋を結べないときの対策

高齢者がゴミ袋を結べない場合には、何度も同じ結び方を練習してもらうより、少ない力と簡単な手順で袋の口を閉じられる方法へ変えることが大切です。

特に薄い袋を指先でつまむことが難しい人と、袋をつまめても強く引っ張れない人では困っている部分が異なるため、実際に袋を閉じる様子を見て原因を確認しましょう。

袋の種類や大きさ、ごみを入れる量、ゴミ箱の高さなども結びやすさへ影響するので、本人の手の力だけを問題にせず、ごみをまとめる環境全体を見直すことがポイントです。

本人が無理なくできる方法が見つからない場合には、家族や介護サービス、地域のごみ出し支援を利用することも含めて考えていきましょう。

持ち手付きの袋へ替える

薄いゴミ袋の端を指先でつまんで結ぶことが難しい高齢者には、自治体の分別ルールで使用できるのであれば、持ち手が付いた袋へ変更すると口を閉じやすくなる場合があります。

通常の平らな袋では、袋の左右を細くまとめてから両端を交差させる必要がありますが、持ち手付きなら最初から握る部分が分かれているため、つまむ場所を探す動作を減らせます。

特に指先で薄いビニールをつまみにくい人では、細かな操作を減らし、手のひらや複数の指で持てる部分を作ることが重要です。

ただし自治体によって指定袋の有無や使用できる袋が異なるため、家庭ごみを出す際に持ち手付きの袋を使用できるかは地域の分別ルールを確認してください。

  • 握る場所が分かりやすい
  • 薄い端を探さなくてよい
  • 左右を持ちやすい
  • 結ぶ手順を減らしやすい
  • 持ち運びにも使いやすい
  • 地域のルール確認が必要

本人が持ち手を結ぶことも難しい場合には、持ち手付きへ替えるだけで解決しようとせず、袋へ入れる量や閉じ方も一緒に見直しましょう。

購入前には少量で試し、本人が袋をゴミ箱から外すところから口を閉じるところまで一人で行えるかを確認すると適性を判断しやすくなります。

袋を小さくする

大きなゴミ袋を使っている高齢者では、袋そのものを一回り小さくすることで、口をまとめる作業とごみを運ぶ作業の両方を軽くできる場合があります。

大容量の袋いっぱいまでごみを入れると、袋の口が大きく広がるうえに中身の重さで下方向へ引っ張られるため、片手で袋を支えながらもう一方の手で結ぶ必要が生じます。

小さな袋を使って早めに交換すれば、一袋あたりの重量を抑えやすく、袋の端を持ち上げる負担も減らせるため、握力だけでなく腕や肩の力が弱い人にも適しています。

一方で袋を小さくすると交換回数やごみ出し回数が増える可能性があるので、収集場所まで運ぶことが難しい人では、単純に小型化するだけでなく生活全体で負担が増えないかを見る必要があります。

袋の状態考え方
大きすぎる一回り小さくする
重すぎる早めに交換する
口が広すぎる容量を見直す
交換が多すぎる適度な容量へ戻す
指定袋がある地域ルールを確認する
運搬も難しい支援も検討する

例えば45リットルの袋を満杯にしてから処理する習慣があるなら、本人が扱える範囲の容量へ変更し、重くなる前に口を閉じる方法を試してみましょう。

袋の大きさはごみの量だけで決めず、本人が持ち上げ、閉じ、収集場所まで運べるかという一連の動作から選ぶことが大切です。

満杯になる前に交換する

高齢者がゴミ袋を結べない原因として見落としやすいのが、ごみを袋の上端近くまで詰め込んでしまい、結ぶための余裕がなくなっていることです。

袋いっぱいまでごみを入れると、左右の端を中央へ寄せるだけでも強い力が必要になり、手指を動かしにくい人では袋を持ち替えることも難しくなります。

袋の上部へ十分な余白が残っている段階で交換する習慣に変えれば、長く残った部分を持ちやすくなり、複雑な指先の動きを減らせます。

ごみ袋を節約するために限界まで詰め込む人もいますが、本人が結べなくなって毎回家族の手助けを必要とするなら、袋一枚の使用量より生活動作のしやすさを優先したほうがよい場合があります。

  • 上部へ余白を残す
  • 押し込んで詰めすぎない
  • 重くなる前に交換する
  • 袋が伸びる前に閉じる
  • 鋭いごみを詰めすぎない
  • 本人が扱える量で交換する

袋を交換する目安を本人が判断しにくい場合には、ゴミ箱の内側に「この高さまで」など目印を付けると分かりやすくなります。

袋の容量を使い切ることより、本人が安全に最後まで処理できる量を基準にすることで、ごみをまとめる作業全体を簡単にできます。

結ぶ部分を長く残す

袋の端をつまむことはできても結び目を作れない場合には、最初から袋の上部を長く残しておくと、持つ場所を確保しやすくなります。

結ぶ部分が短いと指先だけでビニールをつまみ、狭い範囲で交差させる必要がありますが、長く残っていれば手のひらに近い部分まで使って持ちやすくなります。

ゴミ箱へ袋をセットするときに深く押し込みすぎず、袋の口側へ余裕を残しておくことも一つの方法です。

ただしゴミ箱に対して袋が小さすぎると途中で外れたり、逆に大きすぎると余った部分が床へ垂れたりするため、ゴミ箱と袋の大きさの組み合わせも確認してください。

困り方見直すポイント
端をつまめない長い部分を残す
結び目を作れない握る場所を増やす
袋が外れるサイズを見直す
余りすぎる大きすぎない袋を選ぶ
中身が多すぎる早めに交換する
袋を持てない重量も減らす

家族がゴミ箱へ新しい袋をセットしている家庭なら、本人が後で結びやすいよう、あらかじめ口側へ十分な長さを残して取り付ける方法もあります。

袋の結び方だけを練習するのではなく、結ぶ前の状態を扱いやすく整えておくことが、本人の負担を減らすポイントです。

輪ゴムなど別の方法を検討する

一般的な固結びが難しい人では、自治体の排出ルールやごみの内容に問題がない範囲で、袋の口を別の方法で閉じられないか検討することもできます。

袋の口をひねった後に大きめのゴムなどで固定できれば、細かな結び目を作る動作を減らせる場合がありますが、小さな輪ゴムを何度も巻く方法は指先の細かな動きを必要とするため、すべての高齢者に適しているわけではありません。

結束用の道具を使う場合も、本人が簡単に扱えるか、ごみ収集時に外れないか、地域のルール上問題がないかを確認する必要があります。

特に生ごみや液体を含むごみでは、口の閉じ方が不十分だと臭いや漏れにつながるため、「結ばなくて済む」ことだけを優先しないようにしましょう。

  • 本人が一人で扱える
  • 強い力を必要としない
  • 外れにくい
  • 小さすぎる部品を避ける
  • 地域ルールに合う
  • 漏れや臭いを防げる

クリップなど硬い部品を付けたまま排出できるかは自治体によって扱いが異なる可能性があるため、収集ルールが不明な方法を自己判断で常用するのは避けてください。

家庭内で一時的に袋を閉じる用途と、収集場所へ出す際の最終的な閉じ方を分けて考える方法もあります。

ゴミ箱の高さを変える

ゴミ袋を結ぶ際に床まで深くかがんでいる高齢者では、手指だけでなく姿勢の不安定さが作業を難しくしている場合があります。

床置きの低いゴミ箱から袋を持ち上げ、腰を曲げたまま袋の口を結ぼうとすると、両手を使うため身体を支える場所がなくなり、腰や膝にも負担がかかります。

本人が無理にかがまなくても袋を取り出せる高さのゴミ箱へ変更したり、安定した作業台の上で袋の口を閉じたりすると、手元の作業へ集中しやすくなります。

ただしゴミ箱を高くしすぎるとごみを捨てるたびに腕を上げる必要があるため、袋交換だけでなく普段の捨てやすさも含めて高さを決めましょう。

確認点目安
袋の取り出し深くかがまない
口を閉じる作業安定した姿勢で行える
普段の投入腕を上げすぎない
ゴミ箱本体ぐらつかない
設置場所歩行を妨げない
ふた簡単に開けられる

キャスター付きのゴミ箱は移動しやすい一方、袋を引き上げるときに本体が動くこともあるため、本人の立位が不安定なら固定性にも注意してください。

ゴミ袋を結べない原因が姿勢にある場合には、袋そのものを替えるより作業位置を変えるほうが効果的なことがあります。

作業台の上で閉じる

袋を空中で持ちながら結ぶことが難しい高齢者には、ゴミ箱から取り出した袋を安定した台へ置き、袋の重さを台に預けてから口を閉じる方法があります。

袋を片手で持ち上げた状態では、片方の手が袋の重量を支えるために使われ、実質的に残りの手だけで結び目を作らなければならないことがあります。

台の上へ置けば袋を支える力を減らし、両手を口の操作へ使いやすくなるため、握力が弱い人だけでなく腕や肩が疲れやすい人にも試しやすい方法です。

使用する台はぐらつかず、本人が立ったままでも座ったままでも無理なく手が届く高さにし、袋を置いたことで調理スペースなど衛生上問題のある場所を汚さないよう注意します。

  • 袋の重量を台へ預ける
  • 両手を使える状態にする
  • 腰を曲げすぎない
  • 安定した台を使う
  • 作業後に清掃する
  • 動線をふさがない

本人が椅子へ座って作業する場合には、身体を大きく前へ倒さず手が届く位置へ袋を置き、キャスター付きの椅子など動きやすい物は避けるほうが安全です。

「袋を持ちながら結ぶ」という従来のやり方を変え、支える作業と閉じる作業を分けることで、少ない力でも処理できる可能性があります。

難しい部分だけ家族が手伝う

さまざまな工夫をしてもゴミ袋を結ぶ動作だけが難しい場合には、本人ができるごみの分別や袋への投入は続け、最後に口を閉じる部分だけ家族が手伝う方法もあります。

すべての家事を代わりに行う必要はなく、本人が安全にできる部分を残して難しい工程だけ補うことで、本人の生活習慣を維持しながら負担を減らせます。

例えば同居家族が夜に袋を閉じ、本人は日中にごみを分別するという役割分担なら、家族が常に付き添わなくても対応できます。

一方で離れて暮らしている家族がゴミ袋を結ぶためだけに頻繁に訪問する状態では負担が続きにくいため、ごみ出し全体が難しくなっていないかも確認しましょう。

本人ができること支援の例
分別できる本人に任せる
袋へ入れられる本人に任せる
口を結べない家族が閉じる
袋を運べない運搬も支援する
収集日を忘れる予定管理も支援する
家事全体が難しい介護相談を検討する

環境省も高齢者のごみ出し支援を生活上の課題として扱い、地方公共団体、福祉部門、地域コミュニティなどによるさまざまな支援の仕組みを整理しています。

本人の自立を保つことと家族が無理をしないことの両方を考え、できる作業と支援する作業を分けることが大切です。

ゴミ袋を結べない原因を確認しよう

高齢者がゴミ袋を結べないときには、握力だけを原因と考えず、指先の動かしにくさ、関節の痛み、袋の重さ、立った姿勢の不安定さなどを一つずつ確認する必要があります。

厚生労働省の生活行為向上支援に関する資料でも、握力など身体機能への働きかけだけでなく、生活用具を選び、自助具などで力を補う環境面の工夫が重要とされています。

本人が実際にどこで止まるかを見ることで、袋を替えるだけでよいのか、作業場所を変えるべきなのか、生活全体の支援まで考えるべきなのか判断しやすくなります。

握る力が弱くなっている

ゴミ袋を結ぶには、袋の左右を握って引き寄せ、結び目が緩まないよう一定の力を加える必要があるため、握力が低下すると最後まで締めにくくなります。

本人が袋の端をつかむことはできても、引っ張ったときに手から滑り落ちる、結び目が緩んで戻ってしまう場合には、力を加える工程が負担になっている可能性があります。

厚生労働省の資料でも、手の力が弱い高齢者の生活行為を容易にするためには、使いやすい生活用具を選び、必要に応じて自助具などによって力を補完するという考え方が示されています。

本人へ強く握るよう求めるだけでなく、袋を軽くする、持つ部分を大きくする、台へ置いて作業するといった環境側の工夫を優先しましょう。

  • 袋が手から滑る
  • 強く引っ張れない
  • 結び目を締められない
  • 重い袋を持てない
  • 途中で手が疲れる
  • ほかの容器も開けにくい

ペットボトルのふたや瓶のふたなども以前より開けにくくなっている場合には、ゴミ袋だけではなく日常生活の複数場面で握る力の変化が表れている可能性があります。

できない動作が増えている場合には、作業療法士などへ日常生活の困りごとを相談し、本人に合う道具や方法を検討することも選択肢です。

指先を細かく動かしにくい

握る力が残っていても、親指と人差し指で薄い袋をつまみ、左右の端を持ち替えながら結び目を作る細かな操作が難しくなることがあります。

この場合は大きな物なら問題なく持てるため、家族から見ると「力はあるのになぜ袋だけ結べないのだろう」と感じることがありますが、握力と指先の巧緻な動作は分けて考える必要があります。

薄く滑りやすい袋を避ける、持ち手のある袋を利用する、袋の端を長く残すなど、細かなつまみ動作を減らす工夫が適しています。

困る動作工夫
薄い端をつまむ持ち手付きにする
左右を持ち替える手順を減らす
輪を作る別の閉じ方を検討
小さな物を扱う大きい道具を選ぶ
袋が滑る扱いやすい素材を試す
途中で混乱する手順を固定する

厚生労働省の自助具に関する資料でも、指先の細かな動きが難しい人の生活動作を補うさまざまな自助具が示されており、本人の動作に合わせて道具を工夫する考え方が重要です。

ボタン留め、箸、薬の包装など別の細かな操作も難しくなっている場合には、それぞれの生活場面をまとめて専門職へ相談すると支援方法を検討しやすくなります。

痛みや姿勢の問題がある

ゴミ袋を結ぶときに手首や指の関節が痛む人では、力そのものが残っていても痛みを避けるため十分に引っ張れず、結べないことがあります。

また、低いゴミ箱の前で腰を曲げ、重い袋を持ちながら両手を使う姿勢は、膝や腰に痛みがある人や立位が不安定な人にとって負担の大きな動作です。

本人が袋を結ぶときに机へ身体を預けている、途中で座り込む、片手で家具につかまろうとする場合には、手指より姿勢の安定性を優先して見直しましょう。

  • 指を曲げると痛い
  • 手首へ力を入れにくい
  • 腰を曲げると痛い
  • 立ったままだとふらつく
  • 袋を持つと肩が痛い
  • 家具へつかまりながら作業する

安定した台へ袋を置く、椅子に座って行える環境を作る、ゴミ箱の高さを変更するなど、身体を支えながら両手を使える状態へ変える方法があります。

急に強い痛みが出た場合や片手を突然動かしにくくなった場合には、年齢のためと判断せず医療機関へ相談することも大切です。

ゴミ袋やゴミ箱は扱いやすさで選ぼう

高齢者が自分でごみをまとめるためには、袋だけでなくゴミ箱の大きさ、ふたの開け方、設置する高さまで本人の身体状態へ合わせることが大切です。

大容量のゴミ箱は交換回数を減らせますが、袋が重くなりやすく、底から持ち上げる距離も長くなるため、高齢者には必ずしも便利とは限りません。

購入前には容量やデザインだけで決めず、本人がごみを入れる、袋を外す、口を閉じる、持ち上げるところまで一人でできるかを考えましょう。

袋は本人が扱える大きさにする

ゴミ袋を選ぶときには家庭から出るごみの量だけでなく、本人が袋を持ち上げられる大きさかを基準にすることが重要です。

大きな袋を使えば交換回数は減りますが、一袋が重くなり、口を閉じる際にも中身の重量を支えなければならないため、手や腕への負担が増えます。

一方で極端に小さな袋へすると交換回数が増え、ごみ収集場所まで何度も運ぶ必要が生じることもあるので、本人の生活に合う容量を探しましょう。

  • 満杯でも持てる
  • 口をまとめやすい
  • ゴミ箱へ合う
  • 交換回数が多すぎない
  • 地域ルールへ適合する
  • 保管しやすい

実際には袋の容量より中へ入れる物によって重量が大きく変わるため、生ごみなど重い物が多い家庭では早めに交換することも必要です。

本人が毎回同じ程度の量で交換できるよう目安を決めておくと、突然重い袋を持たなければならない状況を防ぎやすくなります。

ゴミ箱は袋を外しやすい物にする

ゴミ袋を結ぶ前段階として、ゴミ箱から袋を取り出す作業そのものが難しい場合には、ゴミ箱の形状を見直す必要があります。

袋の端が本体へ強く固定される構造や、いっぱいになった袋を真上へ長く引き上げる必要がある深いゴミ箱では、握力や腕力が弱い人に負担がかかります。

また、足でペダルを踏みながらふたを開けるタイプは便利な人もいますが、片足立ちに近い姿勢が不安定な人には合わない場合があります。

部分確認点
高さ深くかがまない
深さ袋を抜きやすい
ふた簡単に開閉できる
袋止め外しやすい
本体ぐらつきにくい
設置場所歩行を邪魔しない

本人が現在使っているゴミ箱から袋を外す様子を見ると、ふたを外すところ、袋止めを外すところ、袋を持ち上げるところなど、どこで困っているかを把握できます。

ゴミ袋だけを結びやすい物へ替えても、その前に取り出せなければ自立した作業にはならないため、一連の流れで確認してください。

便利グッズは実際の動作で選ぶ

袋の口を閉じるためのクリップや結束用品などを使う場合には、便利そうに見えることより、本人が一人で操作できることを優先してください。

指先を動かしにくい人に小さなクリップを渡したり、握力の弱い人に強いばねの付いた道具を使ってもらったりすると、通常の結び方より難しくなることがあります。

厚生労働省の生活行為向上に関する資料でも、生活用具や自助具は、手の力など本人の状態を補完して生活行為を容易にするという視点で選ぶことが示されています。

  • 大きく持ちやすい
  • 強い力が不要
  • 操作が単純
  • 小さな部品が少ない
  • 洗いやすい
  • 本人が一人で使える

便利グッズを購入する前に、本人が困っているのが握力なのか細かな指の操作なのかを確認すると、合わない道具を増やす失敗を防げます。

日常生活の複数の動作で自助具が必要になっている場合には、作業療法士などへ相談して本人の身体状態と生活に合った方法を検討することもできます。

ごみ出しまで難しければ支援を検討しよう

ゴミ袋を結べないだけでなく、袋を持ち上げられない、収集場所まで歩けない、決められた時間に出せないなどの問題もある場合には、ごみをまとめる方法だけで解決しようとしないことが大切です。

環境省は高齢化に伴って家庭からのごみ出しに課題を抱える事例が増えていることを踏まえ、高齢者のごみ出し支援制度に関する手引きや事例集を公表しています。

自治体による収集、介護サービス、地域コミュニティなど支援の形は地域や本人の状況によって異なるため、利用できる制度を確認して家族だけで抱え込まないようにしましょう。

自治体のごみ出し支援を調べる

自宅から地域のごみ集積所まで袋を運ぶことが難しい高齢者には、自治体が戸別収集などのごみ出し支援を実施している場合があります。

環境省は高齢者のごみ出し支援制度について地方公共団体向けの手引きを作成しており、2020年度に行われた全国地方公共団体向け調査では、2021年1月時点で34.8%の地方公共団体が高齢者ごみ出し支援制度を導入していました。

ただし制度の名称、対象となる年齢や世帯、要介護認定の条件、収集方法、利用料金などは自治体によって異なるため、全国共通の条件があるわけではありません。

  • 戸別収集の有無
  • 対象となる世帯
  • 年齢条件
  • 要介護認定の条件
  • 申請方法
  • 利用料金

本人が「まだ自分でできるから支援は必要ない」と遠慮する場合もありますが、環境省の手引きでも高齢者のプライドへ配慮しながら制度を利用しやすくする重要性が取り上げられています。

袋を結ぶことだけが難しい段階でも、運搬や分別など別の困りごとが増えてきたら、自治体のごみ担当窓口や高齢者支援の相談窓口へ確認してみましょう。

介護サービスへ相談する

要介護認定などを受けている高齢者で、掃除や洗濯などほかの家事も難しくなっている場合には、担当のケアマネジャーへごみに関する困りごとも伝えましょう。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、訪問介護の生活援助として掃除、洗濯、買い物、調理など日常生活の支援が行われることが示されており、環境省の高齢者ごみ出し支援資料でも介護保険制度を利用した支援が取り上げられています。

ただし「ゴミ袋を結ぶことだけを希望すれば必ず訪問介護で対応してもらえる」という意味ではなく、本人の状態、必要性、ケアプラン、地域のサービスなどによって利用できる内容は異なります。

状況相談先の例
要介護認定があるケアマネジャー
訪問介護を利用中担当事業所
認定を受けていない高齢者相談窓口
戸別収集を知りたい自治体のごみ担当
手の動作を相談したい医療・リハビリ専門職
家族負担が大きい生活全体を相談

相談するときには「ごみ出しが大変」とだけ伝えるより、「袋の口を結べない」「重くて持ち上げられない」「集積所まで歩けない」など、どの工程が難しいのかを具体的に伝えると状況を共有しやすくなります。

本人ができる分別などは続けながら、難しい工程だけ支援してもらえる方法がないかを相談すると、自立を保ちながら負担を減らしやすくなります。

家事全体の変化も確認する

以前は問題なくゴミ袋を結べていた高齢者が急にできなくなった場合には、ごみの処理だけではなく、ほかの日常生活動作にも変化がないか確認することが大切です。

握力や指先の動きが変化していれば、ペットボトルを開ける、衣服のボタンを留める、箸を使う、薬の包装を開けるなどにも困りごとが表れる可能性があります。

厚生労働省の資料でも、生活用具や自助具を活用して本人の生活行為を支える視点が示されているため、一つの動作だけを何度も練習するのではなく生活全体から必要な工夫を考えましょう。

  • ボタンを留めにくい
  • ふたを開けにくい
  • 箸を使いにくい
  • 物を落としやすい
  • 袋を持ち上げられない
  • 家事を避けることが増えた

急に片側の手へ力が入らない、物を頻繁に落とすようになった、言葉が出にくいなど突然の変化がある場合には、単なる加齢による握力低下と自己判断せず、速やかに医療機関へ相談する必要があります。

徐々に生活動作が難しくなっている場合も、かかりつけ医やリハビリテーションの専門職、介護の相談先などへ具体的な困りごとを伝えることで、本人に合う方法を検討しやすくなります。

結ぶ作業だけでなくごみ処理全体を楽にしよう

高齢者がゴミ袋を結べないときには、本人へ強く引っ張る方法や複雑な結び方を繰り返し練習してもらうのではなく、どの動作で困っているかを確認し、袋やゴミ箱など環境側を本人へ合わせることから始めると負担を減らしやすくなります。

薄い袋を指先でつまみにくい人なら持ち手付きの袋を検討し、重い袋を支えられない人なら袋を小さくしたり満杯になる前に交換したりする方法があり、空中で袋を支えながら結べない場合には安定した台へ置いて両手を使える状態を作ることも有効です。

便利グッズを利用するときも、商品名や高齢者向けという表示だけで選ばず、本人が必要としているのが握力の補助なのか、指先の細かな操作を減らすことなのか、姿勢を安定させることなのかを確認し、本人自身が簡単に扱える方法を選びましょう。

さらに袋を結ぶだけでなく、ゴミ箱から袋を取り出せない、収集場所まで持って行けない、分別や収集日の管理も難しくなっている場合には、自治体の高齢者向けごみ出し支援や介護サービスなどを調べ、家族だけで毎回対応し続ける方法に固定しないことも大切です。

本人ができるごみの分別や袋への投入まで取り上げる必要はなく、安全に続けられる作業は本人へ任せ、難しい部分だけ道具や家族、地域の支援で補うことで、自立した生活をできるだけ保ちながら毎日のごみ処理を無理なく続けられる環境を作っていきましょう。

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