高齢者が歩きやすい靴の選び方|履きやすさ・滑りにくさなどチェックしたいポイント

歩行・外出
※イメージとして作成した画像です

高齢者が歩きやすい靴を選ぶときは、「軽ければ歩きやすい」「柔らかければ足に優しい」といった一つの条件だけで決めるのではなく、足に合ったサイズ、つま先の形、靴底の曲がりやすさ、かかとの安定性、脱ぎ履きのしやすさなどを総合して確認することが大切です。

年齢を重ねると歩幅が小さくなったり、足を十分に持ち上げにくくなったりして、わずかな段差につまずきやすくなることがあるため、普段何気なく履いている靴も歩きやすさを左右する重要な要素になります。

また、高齢者では足のむくみや変形などによって以前と足の状態が変わっていることもあり、「昔から24cmだから」という理由だけで同じサイズを選ぶと、実際には足に合っていない場合があります。

反対に、脱ぎ履きを楽にするために必要以上に大きな靴を選ぶと、靴の中で足が動いたり、かかとが浮いたりして歩きにくくなる可能性があるため、ゆったりした靴と大きすぎる靴を区別することも重要です。

ここでは、高齢者が歩きやすい靴を選ぶために確認したいポイントをはじめ、つまずきにくい靴底やつま先の特徴、サイズの合わせ方、介護用シューズを検討したいケース、避けたい選び方まで詳しく紹介します。

高齢者が歩きやすい靴の選び方

高齢者が歩きやすい靴を選ぶうえで最初に確認したいのは、本人の足にきちんとフィットし、歩行中に靴の中で足が必要以上に動かないことです。

そのうえで、つま先が引っかかりにくい形状、適度に曲がる靴底、安定したかかと、負担になりにくい重量などを確認すると、日常生活で使いやすい一足を絞り込みやすくなります。

脱ぎ履きのしやすさも重要ですが、簡単に脱げることだけを優先するのではなく、履いた後に足を適切に固定できる構造かどうかまで確認しましょう。

足に合ったサイズを選ぶ

高齢者の靴選びで基本になるのは本人の足に合ったサイズで、足長だけではなく足幅や足囲、かかとのフィット感まで確認することが大切です。

高齢者は脱ぎ履きのしやすさや足当たりの柔らかさを優先し、実際の足より大きな靴を選ぶ傾向があることが理学療法分野でも指摘されていますが、大きすぎる靴では歩行中に足が靴の内部で動きやすくなります。

反対に小さすぎる靴では、つま先や足の側面が圧迫され、歩くたびに痛みを感じたり、足指を自然に動かしにくくなったりする可能性があります。

「普段履いているサイズだから合っている」と考えず、購入するときには実際に両足で試着し、立った状態と歩いた状態の両方で窮屈さや緩さがないかを確認しましょう。

左右で足の大きさに差がある場合や変形がある場合には一般的なサイズ選びだけでは対応しにくいため、シューフィッターや医療・福祉の専門職へ相談する方法もあります。

つま先が少し上がった靴を選ぶ

高齢者は歩行時に足を十分に持ち上げにくくなり、すり足に近い歩き方になることがあるため、靴のつま先が床へ引っかかりにくい形になっていることが重要です。

靴のつま先部分が床から少し反り上がった構造はトウスプリングと呼ばれ、福祉用具に関する公的な情報でも、高齢者向けの靴ではトウスプリングが高めでつまずきにくいものを選ぶことが示されています。

  • つま先が少し反り上がっている
  • 先端が極端に長くない
  • 足指を圧迫しにくい
  • 歩いたときに床へ引っかかりにくい
  • 本人が自然に足を運べる

ただし、つま先が上がっているという条件だけで転倒を防げるわけではなく、靴のサイズや重量、靴底の状態、本人の歩き方なども同時に影響します。

購入時には靴を手に取って形を見るだけではなく、実際に履いて歩き、普段と同じように足を前へ出したときにつま先が床へ引っかかる感覚がないかを確認しましょう。

靴底の曲がりやすさを確認する

歩きやすい靴には適度な屈曲性が必要で、歩行時に足指の付け根付近で靴底が自然に曲がると、足を前へ運ぶ動作を行いやすくなります。

厚く硬すぎる靴底では足の動きに靴がついてこず、歩きにくさにつながる場合があり、厚生労働省も転倒防止に関する情報の中で、靴の屈曲性が悪いと足への負担やすり足につながり、つまずきの原因になると説明しています。

一方で、靴全体が簡単にねじれたり、土踏まず部分まで極端に柔らかかったりする靴が高齢者にとって必ず歩きやすいとは限りません。

確認するときは靴の前方を軽く曲げ、足指の付け根に相当する位置が適度に曲がるかを見るとともに、かかとから土踏まず付近には身体を支えられる安定感があるかを確認しましょう。

「柔らかい靴ほど高齢者向け」と思い込まず、歩行時に必要な部分は曲がり、足を支えたい部分には適度な強さがある靴を選ぶことがポイントです。

かかとが安定する靴を選ぶ

高齢者が歩きやすい靴を探すときには、つま先や靴底だけではなく、かかとを包む部分が適切にフィットしていることも重要です。

かかと周辺が大きすぎたり柔らかすぎたりすると、歩くたびにかかとが靴から浮きやすくなり、足と靴が一体になって動きにくくなることがあります。

確認箇所選ぶときの目安注意したい状態
かかと適度に支えられる歩くと浮く
履き口足に沿っている大きく隙間がある
靴全体足と一緒に動く靴だけ遅れて動く
固定具調整できる足を固定できない

足と靴を適切に固定することは歩行時の安定につながるため、履き口が広いだけの靴より、面ファスナーやファスナーなどで本人の足に合わせられる靴が便利な場合があります。

かかとを踏んだまま歩く使い方は本来のフィット感や安定性を得にくいため、かかとまで正しく履ける靴を選び、毎回きちんと装着することも大切です。

重すぎない靴を選ぶ

脚の筋力が低下している高齢者では、重い靴を履くと足を前へ振り出す負担が増え、長い距離を歩いたときに疲れやすくなることがあります。

厚生労働省の転倒防止に関する情報でも、靴が重くなると足が上がりにくくなり、すり足になりやすいため、つまずきにつながる可能性があることが示されています。

  • 持ったときに極端に重くない
  • 履いて足を上げやすい
  • 長時間でも負担になりにくい
  • つま先側だけが重くない
  • 軽さと安定性を両立している

ただし、軽量であることだけを最優先にすると、足を支えるために必要な構造まで省かれている場合があるため、「最も軽い商品」を機械的に選ぶ必要はありません。

本人が実際に履いて歩いたときに足を持ち上げやすく、なおかつ靴の中で足が安定しているかを確認し、重量と支持性のバランスで判断しましょう。

靴底の滑りにくさを確認する

屋外を歩く高齢者にとって靴底の滑りにくさは重要で、特に雨でぬれた路面や店舗の床などでは、靴底と床面との組み合わせによって滑りやすさが変化します。

福祉用具に関する情報でも、高齢者向けの靴では靴底の素材が滑りにくく軽いものを選ぶことが挙げられており、底面の接地状態は確認したいポイントです。

ただし、摩擦が強ければ強いほど安全というわけではなく、厚生労働省は滑りにくい床と滑りにくい靴底の組み合わせでは摩擦が強くなりすぎ、つまずく場合があることも示しています。

普段歩く場所が屋内中心なのか、アスファルトやタイルを歩くことが多いのかなど、使用環境を考えて靴底を選ぶことが大切です。

また、購入時には滑りにくかった靴でも、長期間の使用によって靴底がすり減れば状態は変化するため、底面の溝や偏った摩耗を定期的に確認しましょう。

足指を圧迫しない靴を選ぶ

高齢者向けの歩きやすい靴では、つま先部分に足指を収められる適度な空間があり、指同士を強く圧迫しない形になっていることも重要です。

テクノエイド協会では、高齢者向けの靴について足先を圧迫しないものを選ぶことを挙げており、足指部分が極端に細くなったデザインは慎重に判断する必要があります。

  • 足指が強く当たらない
  • 横幅が窮屈でない
  • 指を自然に動かせる
  • 爪が靴へ当たり続けない
  • 歩いて痛みが出ない

ただし、つま先に余裕が必要だからといってサイズそのものを大きくすると、今度はかかとが浮いたり足が前後へ動いたりするため、足長と足幅を分けて考えることがポイントです。

足幅が広い人なら幅に対応した靴を選び、足の変形が強い場合には一般的な市販靴のサイズアップだけで対応しようとせず、専門家へ相談しましょう。

脱ぎ履きしやすい靴を選ぶ

腰や膝を大きく曲げにくい高齢者や手指を細かく動かしにくい人では、靴の性能が良くても毎回の着脱が難しいと日常的に使い続けることが負担になります。

そのため、履き口が十分に開き、面ファスナーやファスナーなどで開閉しやすい構造は、高齢者の靴を選ぶうえで便利な機能です。

固定方法特徴確認点
面ファスナー開閉しやすい固定力を調整できるか
ファスナー大きく開けやすい本人が操作できるか
靴ひも細かく調整しやすい結ぶ動作ができるか
スリッポン着脱が簡単足を固定できるか

脱ぎ履きしやすさだけを求めて大きな靴を選ぶのではなく、履き口は開きやすく、装着した後には足をしっかり固定できる靴を選ぶことが理想です。

本人が自分で履く場合には、店頭で実際に椅子へ座って着脱し、無理な前かがみや長時間の片足立ちをせずに扱えるかまで確認すると生活に合った靴を選びやすくなります。

高齢者の靴はサイズの合わせ方が重要

歩きやすそうな機能を備えた靴でも、サイズが本人の足に合っていなければ、本来の性能を十分に生かすことはできません。

高齢者では足の形やむくみ方が以前と変化していることもあるため、昔から履いている靴のサイズや本人の記憶だけに頼らず、現在の足の状態を基準に選ぶことが重要です。

家族がプレゼントとして購入するときにも、普段履いている靴のサイズだけで決めず、可能な限り本人に試着してもらいましょう。

足長だけで決めない

靴のサイズというと23cmや25cmなど足の長さを示す数字に注目しがちですが、実際のフィット感には足幅や足囲なども関係します。

同じ24cmでも細身の足と幅広の足では適した靴が異なり、幅が合わないからとサイズを大きくすると、つま先やかかとに不要な空間が生まれる場合があります。

  • 足の長さ
  • 足の幅
  • 足囲
  • 甲の高さ
  • かかとのフィット感

足幅が広い場合には単純に一つ上のサイズを選ぶのではなく、幅のバリエーションがある靴の中から本人に合うものを探すほうが適切な場合があります。

左右差が大きい、外反母趾などの変形がある、装具を使用しているといった場合には、一般的なサイズ表だけで判断せず専門家へ相談することも検討しましょう。

大きすぎる靴を避ける

高齢者はきつい靴より大きめの靴を好む場合がありますが、大きすぎる靴では足が靴の中で前後左右へ動き、歩行時の安定感を得にくくなります。

理学療法分野の高齢者の靴選びに関する報告でも、高齢者は着脱の容易さや足当たりを重視してオーバーサイズの靴を選ぶ傾向があることが指摘されています。

状態起こりやすい問題確認点
大きすぎる足が靴内で動くかかとの浮き
小さすぎる足を圧迫する指や側面の当たり
幅が狭い横方向が窮屈足幅との適合
適切足を固定しやすい歩行時のフィット感

「ゆったり履ける」という感覚と「足に対して大きすぎる」状態は同じではないため、つま先だけではなく、甲やかかとが適切に固定されているかを見る必要があります。

脱ぎ履きのしやすさが必要ならサイズを大きくするのではなく、履き口が広く開くタイプや面ファスナーなどで調整できる靴を候補にしましょう。

両足で試し履きする

人の足は左右が完全に同じ大きさとは限らないため、靴を購入するときには片足だけではなく両足を履き、実際に立って歩いて確認することが重要です。

座った状態では問題がなくても、立つと体重がかかって足の形が変化し、つま先や側面に当たりを感じることがあります。

  • 両足とも履く
  • 立った状態を確認する
  • 店内を安全に歩く
  • かかとの浮きを見る
  • 痛い部分がないか確認する

普段使用する靴下の厚さによってもフィット感は変わるため、試着時には日常生活で履いているものに近い靴下を使用すると判断しやすくなります。

歩いている途中で痛みや違和感がある靴を「そのうちなじむだろう」と無理に選ばず、別のサイズや形状も比較しましょう。

歩き方に合わせて靴の機能を選ぶ

高齢者と一口にいっても、自分で長距離を歩ける人から、杖を使う人、介助を受けながら移動する人まで歩行能力には大きな違いがあります。

そのため、「高齢者用」と表示されている靴なら誰にでも合うわけではなく、本人がどこで、どのくらい歩くのかを基準に必要な機能を考えることが重要です。

特にむくみや足の変形、装具の使用などがある場合には、一般的なウォーキングシューズだけでなく介護用・リハビリ用として設計された靴が適することもあります。

散歩には安定性を重視する

散歩や買い物など屋外を自力で歩く高齢者では、適度な軽さだけでなく、かかとの安定性や靴底の屈曲性、路面への対応などを総合して選ぶことが重要です。

舗装された道路でも小さな段差や傾斜、マンホール、点字ブロックなどがあるため、室内よりさまざまな路面へ対応する必要があります。

  • かかとが安定する
  • 足指の付け根で曲がる
  • つま先が引っかかりにくい
  • 重すぎない
  • 足を固定できる

長い距離を歩く場合には、店頭で数歩試したときの感覚だけでなく、靴が足へしっかりフィットして余計な動きがないかを慎重に確認しましょう。

以前は問題なく歩けた距離で最近つまずくようになった場合には、靴だけの問題と決めつけず、身体機能や歩行状態について医師や理学療法士などへ相談することも大切です。

むくみには調整しやすい靴を選ぶ

足がむくみやすい高齢者では、一日の中でも足のボリュームが変化することがあるため、固定された履き口よりもフィット感を調整しやすい靴が便利な場合があります。

テクノエイド協会では、むくみや腫れ、包帯などによって足が大きくなっている場合に対応できるよう、前方が大きく開く靴があることを紹介しています。

足の状態検討したい機能注意点
むくみやすい調整幅が広い大きすぎる靴で代用しない
手指が動かしにくい面ファスナー本人が操作できるか
装具を使用装具対応の靴専門家へ相談
足の変形がある圧迫しにくい形当たりを確認

むくみがあるからと常に大きめの靴を履くと、むくみが少ない時間帯に足が靴の中で動いてしまう可能性があるため、調整できる構造を利用するほうが適することがあります。

急に片足だけが腫れた場合や強い痛み、赤みなどがある場合には、靴選びだけで対応せず医療機関への相談を検討してください。

介護用シューズも候補にする

一般的な靴の着脱が難しい人や足に装具を使用している人、足のむくみや変形が強い人などでは、介護用・リハビリ用として設計されたシューズが使いやすい場合があります。

介護用シューズには履き口が大きく開くもの、面ファスナーで甲の高さを調整できるもの、むくみに対応できるものなど、一般的な靴では対応しにくい状態を考慮した製品があります。

  • 履き口が大きく開く
  • 甲部分を調整できる
  • むくみに対応しやすい
  • 装具対応タイプがある
  • 左右別サイズの商品もある

ただし、「介護用」と表示されていることだけを理由に選ぶのではなく、本人の歩行能力や足の状態に合っているかを確認することが必要です。

足の変形や傷、装具など医療的な要因が関係している場合には、医師、理学療法士、義肢装具士などへ相談しながら選ぶと安心です。

高齢者の靴選びで避けたい失敗

高齢者向けの靴を探していると、「軽量」「幅広」「脱ぎ履き簡単」といったわかりやすい特徴に目が向きますが、一つの機能だけを見て購入すると本人の足に合わない場合があります。

また、家族が靴をプレゼントするときには本人の好みや現在のサイズを十分に確認せず購入してしまい、結局ほとんど履いてもらえないケースも考えられます。

歩きやすさを優先するなら、商品の宣伝文句だけではなく、実際に履いた状態で足と靴がどのようにフィットしているかを確認しましょう。

軽さだけで選ぶ

脚力が低下した高齢者にとって軽い靴はメリットがありますが、「軽ければ軽いほど歩きやすい」と考えるのは適切ではありません。

靴には足を保護し、かかとを支え、歩行時の動きを助ける役割もあるため、軽量化によって必要な支持性まで不足していないかを確認する必要があります。

  • 足を持ち上げやすいか
  • かかとが安定するか
  • 靴底が適度に曲がるか
  • 足が靴の中で動かないか
  • 長時間でも負担が少ないか

反対に、重い靴では足を上げにくくなり、すり足につながる可能性があるため、重すぎる靴も避けたほうがよいでしょう。

軽さを単独で比較するのではなく、本人が自然に足を前へ運べる重量でありながら、必要な安定性を備えていることを基準にしてください。

大きめなら楽だと考える

足を圧迫しないようにする目的で大きめの靴を選ぶ人は少なくありませんが、必要以上に大きい靴は歩行中に足と靴の動きがずれる原因になります。

特にかかとが大きく浮く靴や、足が前後へ滑る靴では、つま先部分に余計な長さが生まれ、歩きにくさにつながることがあります。

選び方問題になりやすい点代わりの方法
サイズを大きくする足が靴内で動く幅広タイプを試す
紐を緩くする固定しにくい調整しやすい靴を選ぶ
かかとを踏む安定性が低下着脱しやすい構造を選ぶ
厚い靴下で調整圧迫する場合がある適切なサイズを選ぶ

幅が窮屈なら幅広タイプ、甲がきついなら甲部分を調整できるタイプというように、問題のある部分へ対応した靴を探すほうがサイズアップだけで解決するより適切です。

本人が「大きいほうが楽」と感じる場合には、どこに窮屈さを感じているのかを確認してから別の形状を試しましょう。

試着せずに決める

インターネット通販ではさまざまな高齢者向けシューズを比較できますが、初めて購入するモデルをサイズ表だけで決めると、実際の足に合わない可能性があります。

同じサイズ表記でもメーカーや靴の形状によってフィット感は異なるため、可能であれば実店舗で試着するか、サイズ交換などの条件を確認して購入することが大切です。

  • 両足で試す
  • 立って確認する
  • 安全な場所を歩く
  • かかとの浮きを確認する
  • つま先や側面の当たりを確認する

家族が本人に内緒でプレゼントする場合にも、普段のサイズだけを頼りに選ぶより、本人と一緒に選んだほうが歩きやすさという本来の目的を達成しやすくなります。

特に歩行に不安がある人ほど試着時の確認が重要なので、見た目や口コミだけで決めず、本人の足を基準に判断しましょう。

靴を長く安全に使うためのポイント

足に合った歩きやすい靴を購入しても、靴底が大きくすり減った状態や、かかとが変形した状態で使い続ければ、購入時と同じ履き心地を維持することはできません。

高齢者の場合には本人が靴の劣化に気づきにくいこともあるため、家族が定期的に靴底やかかとを確認すると安心です。

また、身体状態や足の形も変化する可能性があるため、「お気に入りだから何年でも同じ靴を履く」のではなく、現在の足に合っているかを定期的に見直しましょう。

靴底の減りを確認する

靴底は歩くたびに地面と接触する消耗部分であり、長期間使用すると溝が浅くなったり、左右どちらかだけが大きくすり減ったりします。

特にかかとの片側だけが大きく減っている場合には靴が傾きやすくなることもあるため、上から見ただけではなく靴を裏返して底面を確認しましょう。

  • 溝が消えていないか
  • 左右で減り方が違わないか
  • かかとが斜めに減っていないか
  • 靴底が剥がれていないか
  • 亀裂がないか

雨の日に以前より滑りやすく感じるなど変化がある場合には、外見上まだ履けそうでも靴底の状態を詳しく確認する必要があります。

極端な片減りを短期間で繰り返す場合には、単なる靴の問題だけでなく歩き方や身体状態が関係している可能性もあるため、必要に応じて専門家へ相談しましょう。

かかとの型崩れを確認する

毎回かかとを踏んで履いたり、靴べらを使わず無理に足を入れたりすると、かかと周辺が変形して足を支える機能が低下することがあります。

左右から見て大きくつぶれている場合や、歩いたときに以前よりかかとが動くようになった場合には、靴そのものの状態を確認しましょう。

点検場所確認する状態対応
靴底摩耗や亀裂買い替えを検討
かかとつぶれや変形フィット感を確認
面ファスナー固定力の低下修理や交換を検討
中敷き大きな摩耗状態を確認
靴内部破れや異物使用前に対応

特に高齢者では靴を履くために身体を深く曲げることが難しく、無意識にかかとを踏んでしまう場合があるため、長い靴べらなどを活用する方法もあります。

本人の着脱動作そのものが難しくなっている場合には、靴だけでなく着脱を補助する福祉用具を検討すると、正しい履き方を続けやすくなります。

足の状態も定期的に見る

靴の点検と同じくらい重要なのが本人の足を確認することで、赤み、靴ずれ、爪のトラブル、むくみなどがないかを定期的に見ましょう。

購入時には合っていた靴でも、足のむくみや変形などが進めば、同じ靴が現在の足には合わなくなる可能性があります。

  • 靴ずれがないか
  • 赤くなっていないか
  • むくみが強くないか
  • 爪が靴へ当たっていないか
  • 痛みが出ていないか

糖尿病などによって足の傷に特別な注意が必要な人では、自己判断で市販の靴を選び続けず、医療機関などで適切なフットケアや靴について相談することが重要です。

歩きやすさは靴だけで決まるものではないため、足や身体の状態に変化があるときには、その原因も含めて確認するようにしましょう。

足に合った靴を選んで毎日の歩行を支えよう

高齢者が歩きやすい靴を選ぶときは、単純に軽い靴や柔らかい靴を探すのではなく、現在の足にサイズが合っていることを基本に、つま先が引っかかりにくい形状、適度に曲がる靴底、安定したかかと、負担になりにくい重量などを総合的に確認することが大切です。

特に高齢者ではすり足に近い歩き方になることがあるため、つま先が少し反り上がったトウスプリングのある靴は選択時のポイントになりますが、滑りにくさや軽さなど一つの機能だけで転倒を防げるわけではありません。

サイズ選びでは足長だけでなく足幅や足囲も確認し、脱ぎ履きを楽にする目的で必要以上に大きな靴を選ばず、面ファスナーやファスナーなどを利用して履き口の開きやすさと足の固定を両立できる靴を探しましょう。

むくみや足の変形が強い場合、装具を使用している場合、一般的な靴では着脱が難しい場合には介護用・リハビリ用シューズも候補になり、身体状態によっては医師や理学療法士、義肢装具士などへ相談することも重要です。

購入後も靴底の摩耗やかかとの型崩れ、足の痛みや赤みなどを定期的に確認し、以前よりつまずきが増えた、歩き方が急に変わったといった場合には靴だけで解決しようとせず、身体状態も含めて確認しながら毎日安心して歩ける環境を整えていきましょう。

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